約7年間、独占放送契約も「打ち切り」撤退

大学2年生の時にREBELSでプロデビューした格闘家で、2018年7月にRIZIN.11に出場。大学在学中はプロキックボクサーとして試合に出場しながら、フジテレビへの就職を決めたという変わり種が、ウザ強ヨシヤだ。入社後はスポーツ局に配属されてヤクルトを担当する一方で、就業時間外の個人活動で、プロ格闘家をしている。このウザ強が、会社から「戒告処分」を受けた問題が波紋を広げているのだ。
ウザ強は5月4日の「RIZIN男祭り」への参戦を表明しているが、フジテレビ側はケガをして業務に影響が出るおそれがあることから、出場を認めず。なにがなんでも出場したいウザ強との話し合いは平行線をたどり、ついに戒告処分が下ったというわけである。
この措置には賛否両論が。「問題を起こしたフジテレビが安全を理由に反対しても説得力がない」という批判や、「会社員としてあくまでも組織のルールに従うべき」との指摘である。
他競技に目を向けてみれば、ラグビーやサッカー、陸上競技などでは社員がクラブチームに所属し、週末に試合をこなすケースは珍しくない。ましてやウザ強は、報酬を得ずに試合に出場している。
とはいえ、今回のケースはウザ強にとって少々、分が悪い。なぜならフジテレビはコンプライアンス上の懸念などから、RIZINの地上波放送を打ち切っているからだ。
RIZINは2015年の設立後、フジテレビが独占放送契約を結び、2022年までの約7年間、地上波ゴールデンタイムに大会を中継してきた。ところが2022年5月、RIZIN代表・榊原信行氏の「反社交際音声」流出トラブルが週刊誌報道される。これを受けて、フジテレビは6月の「THE MATCH 2022」から撤退。問題視した団体の試合に自社の社員が出場することを、今さら認めるわけにはいかないのだ。
会社員の副業が認められるようになった近年、もしフジテレビとRIZINが今まで通りの蜜月関係を続けていたら、ウザ強の試合出場はむしろ、フジテレビ側が大々的にPRしていたかもしれない。
今のところウザ強は退社も辞さない覚悟だというが、フジテレビの立場を考えた場合、それもやむなしかとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部