2025/5/27 14:37

横綱、もはや「無理ゲー」

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春場所を制し、夏場所綱取りに挑む大の里。取り組み内容も申し分のないものばかりだったといい、2場所連続優勝で横綱昇進確実となったという。

「大の里は大学時代、2年連続アマチュア横綱(全日本選手権優勝)ほか13のタイトルを獲得し、幕下10枚目格付出でデビュー。入門直後の稽古で幕内上位力士と互角以上に渡り合い、周囲に“将来の横綱間違いなし”と言わしめる期待の星でした。そして期待通りに出世を続け、わずか9場所で大関に昇進。このまま横綱に昇進すれば史上最速での綱取りになります」(週刊誌スポーツ担当記者)

大の里が横綱になると、日本出身横綱は2017年の稀勢の里(現・二所ノ関親方)以来8年ぶりだというが、「横綱」という地位は周囲が考える以上に重く、厳しいという。それに直面したのが、3月場所で新横綱となった豊昇龍だとのこと。

「豊昇龍の横綱昇進に関しては、前場所が準優勝だったこと、下位力士への取りこぼしが多いことなどから“早すぎる”という声が少なくありませんでした。甘めの判断の背景には、照ノ富士引退による横綱空位を避けたい思惑があったとの憶測も飛び交い、注がれる目は厳しかった。はたして懸念は現実となり、豊昇龍は新横綱の3月場所で9日目までに4つも星を落とし、10日目から休場。叩かれる羽目になりました」(同上)

批判は期待の裏返しだが、加えて横綱には“品位”や“格”も求められるようで、最も厳しいルールは横綱に降格がないことだという。

フリーのスポーツジャーナリストは

「横綱は勝ち続けることが使命であり、存在意義でもある。過去には降格制度の導入が議論されたこともありましたが、導入には至りませんでした。休場を続けても横綱の地位は失いませんが、“ダメなら辞める”というのが相撲界のしきたりです。今の大相撲はガチンコが当たり前で、上位の差は小さい。それなのに序盤で2~3敗すれば休場、2ケタ勝てなければ引退が取り沙汰されるのは、もはや“無理ゲー”です。

 横綱昇進後に苦しんだ代表格が稀勢の里です。稀勢の里は新横綱昇進場所こそ優勝したものの、結果的にはそれが最後の優勝に。その後1年半近くほぼ全場所を休場し、横綱の威厳を見せられないまま引退しました。

 対照的だったのは魁皇(現・浅香山親方)です。魁皇は横綱にはなれませんでしたが、幕内在位107場所(約18年)、通算1000勝超えなど、数々の大記録を樹立。記憶にも記録にも残る力士となりました。魁皇がそれだけ長く現役を続けられたのは大関止まりだったから。魁皇は晩年、毎場所8勝か9勝止まりでしたが、横綱ならとっくに引退だったでしょう」

と語っていると「サイゾーオンライン」が報じている。

相撲界の頂点・横綱が背負う“ブラックすぎるシステム” 「降格なし」という地獄の始まりで… | サイゾーオンライン/視点をリニューアルするニュースサイト相撲界の頂点・横綱が背負う“ブラックすぎるシステム” 「降格なし」という地獄の始まりで… | サイゾーオンライン/視点をリニューアルするニュースサイト

編集者:いまトピ編集部