大ヒット『名作ドラマ』続編制作が内定

フジテレビの往年の大ヒットドラマ『101回目のプロポーズ』の続編制作が内定し、女優の唐田えりかがヒロインに起用されると報じられた。不倫スキャンダルで一時は引退すら危惧された唐田だが、昨年11月に地上波復帰を果たし、話題の配信ドラマや映画への出演も相次ぎ決定するなど完全復活モードになっている。この背景には、過去に問題があったとしても制作者が起用したくなる唐田の高い実力と、スキャンダル対応における事務所の手腕があったようだ。
22日発売の「女性セブン」(小学館)によると、約35年前に浅野温子と武田鉄矢がW主演した名作ドラマ『101回目のプロポーズ』の続編制作が内定。仮タイトルは『102回目のプロポーズ』で、動画配信サービスFODの作品として今秋にもクランクイン予定だという。主人公は霜降り明星のせいや、ヒロインには唐田が抜擢され、武田も出演すると伝えられている。
配信作品ではあるものの、唐田にとってドラマで「ヒロイン」役に復帰する意味は大きい。
唐田といえば、2020年1月に東出昌大との不倫関係が発覚。唐田はすぐに事務所を通じて謝罪コメントを出したが、同年8月に東出と当時の妻だった杏が離婚したことでバッシングが過熱し、約1年半にわたって女優業を休業することになった。2021年9月に短編映画で女優復帰したものの、以前のように活動できる状況ではなく、一時は引退の可能性がささやかれた。
しかし、唐田は2022年に映画『の方へ、流れる』で約3年ぶりの主演を飾り、演技力の進化を感じさせたことで徐々に風向きが変化。2024年にNetflixオリジナルドラマ『極悪女王』で実在の女子プロレスラー・長与千種を熱演し、ハードなプロレスシーンをほぼ吹き替えなしで演じ、丸刈りになる女優魂を見せたことが決定打となり、大きな再評価の波が起こった。
昨年11月には、フジテレビ系ドラマ『嘘解きレトリック』にゲスト出演。チョイ役ではあったものの、一時は絶望視されていた「地上波復帰」を果たした。今年4月には、NHKのオムニバスドラマ『地震のあとで』の第1話に出演し、同月に公開された堤幸彦監督の映画『Page30』では主演の一人に選ばれ、佐藤健が主演するNetflix シリーズ『グラスハート』(7月31日配信予定)への出演も決まるなど、完全復活となっている。
『101回目のプロポーズ』の続編で、女性の共感を呼ぶ必要のある「恋愛ドラマのヒロイン」に起用されるとなれば、いよいよネガティブなイメージを払拭できそうだ。
不倫スキャンダルといえば、永野芽郁が不倫を否定したにもかかわらず、大河ドラマ降板やCM削除などの事態になり、女優業の危機に陥っている。永野のケースと比較して、唐田および所属事務所「フラーム」のスキャンダル対応を評価する声も増えているようだ。
なぜ唐田は復活することができたのか。業界事情に詳しい芸能記者はこう解説する。
「東出昌大との不倫記事が掲載される『週刊文春』の発売前日に、『文春オンライン』が第一報を配信したが、フラームは同日の深夜にコメントを発表して謝罪。正面から不倫について触れた文章ではなかったが、素早い対応で暗に不倫があったことを認めた。それから唐田の公式サイトやSNSをほぼ同時に削除し、仕事も清算したうえで、活動休止させるという潔い対応を取った。
フラームは広末涼子が所属していた前事務所のマネージャーが1998年に立ち上げた芸能事務所。広末が写真週刊誌を騒がせたときの対応も見事で、仕事が減ったり、タレントイメージを損なったりすることもなかった。2004年に移籍してきた戸田恵梨香も熱愛報道が幾度かあったが、仕事へのダメージが皆無だったのは、何があっても女優業に集中させた事務所の力が大きいだろう。
そんな前例もあってか、唐田の不倫スキャンダル発覚時のリスクマネジメントは非の打ちどころがなかった。唐田を見捨てることなく、世間のバッシングから守るために即座に表舞台から遠ざけ、焦らず慎重に復帰時期を検討したのもお見事。その間、東出と杏が離婚したことで、さらなる誹謗中傷も飛び交ったが、約1年半にわたって芸能活動を休止させたことで、最小限の炎上で済んだ」
この休業期間は、唐田の女優としての成長にもつながったという。前出の記者が続ける。
「休業期間中は携帯電話を持たず、テレビや映画も一切見なかったという唐田は、小説を中心にたくさんの本を読んでいたという。その中にはエーリッヒ・フロムの『愛するということ』などの哲学書もあり、ただ読むだけではなく、感想をレポートにまとめて週に一度、社長に見せて、今後についての話し合いを重ねた。それによって唐田は、芝居におけるキャラクターへの理解度が高まり、役作りにも活きたと後に語っている。その甲斐あってか、本格復帰作となった映画『の方へ、流れる』は難解な作品で興行的には苦戦したものの、唐田の演技はブランクを感じさせず、観念的な作品に説得力を与えた」
本格復帰してからは目覚ましい活躍となった。前出の記者は言う。
「その後はハイペースで映画に出演するようになり、『死体の人』(23)ではヒロイン、『無情の世界「真夜中のキッス」』(23)、『朝がくるとむなしくなる』(23)、『Page30』(25)では主演を務めた。どれも低予算で小規模な作品ではあるが、役を徹底的に深掘りすることで演技に磨きがかかった。復帰後、最も話題になった『極悪女王』の長与千種役は、休業期間中にオーディションで勝ち取ったもの。事務所の社長とスタッフに後押しされてオーディションを受けた結果、監督の白石和彌氏が唐田の覚悟に胸を打たれて強く推したという。
その期待に応えて、唐田は徹底的に肉体改造に挑み、体重を10キロ増量させ、本物の女子プロレスラーさながらの肉体とマインドを作り上げた。主演のゆりやんレトリィバァのケガもあって、オーディション期間を含めると完成までに数年かかったが、唐田は他の仕事もこなしつつ、長与千種という役に真摯に向き合い続けた。その結果、本作での演技は高い評価を受けて、完全復帰へとつながった」
事務所の見事な対応と本人の女優業への強い思いによって、完全復活が成し遂げられたようだ。唐田の今後について、前出の記者はこう指摘する。
「唐田は東出と知り合うきっかけにもなった映画『寝ても覚めても』(18)のヒロイン役で演技に開眼し、瓜二つの二人の男性に恋をして煩悶する女性を繊細に演じたことで、数多くの新人女優賞を受賞した。これからというときに活動自粛となってしまったが、前述したように空白の1年半で得たものは大きかった。まだ地上波での露出は少ないものの、現時点で今年公開予定の映画が3本控えているなど、オファーが絶えない状況に戻ってきている。唐田は復帰後に『この仕事で恩返しをしたいと思うようなった』と語っており、仕事への覚悟や意欲が強まったことで、着実に演技派女優としての階段を上っていきそうだ」
とのことだとサイゾーオンラインは報じている。
編集者:いまトピ編集部