京都、もはや「観光客だけが楽しめる、地元民には用のない街」になってしまった

観光客でごった返す京都・錦市場は、かつては「京都人しか入れなかった」と言われたが、今では外資や東京資本の店ばかりで、市内在住の男性は「もう錦には近寄らへん」と冷めた口調で語っているという。
観光客のニーズに合わせた結果、そうした店ばかりが生き残ったようで、事実、彼らが思い描く「日本料理」とは、懐石や会席といった本格的な和食ではないといい、ある老舗店の女将は
「先付、椀、向付と続くお作法だらけのコース料理は『名前もわからへんし、順番もややこしい』って敬遠されます。結局、寿司・焼肉・ラーメンの『三本柱』ばっかりが好まれるんですよ」
と語る。
さらに旅行中は限られた時間を有効に使いたいという心理もあり、サクッと食べられるアラカルト形式の店に人気が集中。じっくりとコースを味わうスタイルは、今や観光客には「非現実的な選択肢」となっているようだ。
風情ある先斗町も例外ではなく、いまや通りを歩けば、店の多くが外国資本や他府県の業者。日本人の姿はほとんど見かけず、かつての京都らしさはどこへやら…という有様。
一方で存在感を増しているのが、アジア系の団体客で、
「彼らは表通りの飲食店には寄らず、雑居ビルの中にある団体専用の謎の飲食施設で食事を済ませるスタイル。だから地元の店には1円も落とさないんです」(地元飲食関係者)
とのこと。こうした観光形態の変化により、京都の飲食事情は大きく様変わりし、閉店時間は早まり、23時を過ぎて営業しているのは、もはや木屋町周辺ぐらいだという。
「静かで風情がある」と言えば聞こえはいいが、地元民にしてみれば「観光客だけが楽しめる、地元民には用のない街」になってしまったというのが正直なところだと「アサ芸プラス」が報じている。
編集者:いまトピ編集部