相次ぐ値上げでも、極めて安価に設定「初乗り90円」「寄付金」

物価同様、運賃の値上げが相次ぐ鉄道各社。コロナ禍に比べて利用者数は回復基調にあるが、以前の水準には戻っておらず、運行にかかる維持費や人件費の高騰が追い打ちをかけ、各鉄道会社はおしなべて苦しいカジ取りが強いられている。
そんな中、値上げどころか、初乗り運賃を極めて安価に設定しているところもある。
最安値は、ケーブルカーの「鞍馬山鋼索鉄道」。京都・鞍馬寺の参拝用に同寺が運行し、駅は山門駅と多宝塔駅のみで運賃はなんと無料。ただし、寄付金という名目で実質的には大人片道200円がかかる。
一方、同じケーブルカーの「箱根登山鉄道鋼索線」(箱根登山ケーブルカー)の初乗り運賃は、こちらも格安の90円。強羅~早雲山の全6駅の区間は隣駅までの運賃がこの料金に据え置かれ、全区間乗っても430円。ケーブルカーでは鞍馬山、天橋立ケーブル(340円)に次いで安い。
ケーブルカー以外の鉄道にも低価格路線はある。例えば、北大阪急行電鉄と若桜鉄道(鳥取県)、北九州モノレールは100円。次いで紀州鉄道(和歌山)と路面電車の岡山電気軌道は120円。さらに、神戸高速鉄道の130円。140円になると、京王や小田急、東急(世田谷線、こどもの国線以外)、京成(成田空港線、松戸線、千原線以外)、小湊鉄道、甘木鉄道とさらに増える。
また、こども運賃に限定すれば、ダントツで安いのが小田急の50円だ。ICカード乗車券利用時の運賃ながら、路線内ならどこまで乗ってもこの料金で、子供を持つ沿線住民に歓迎されている。
大人の運賃で、初乗りではなく10キロになると、JR東日本の東京電車特定区間の180円、20キロだと京成松戸線の280円で、30キロは阪神の320円がそれぞれ安い。
初乗り運賃が抑えられているところもあれば、乗車距離が延びるほど運賃が抑えられているところもあり、同じ運賃でも鉄道会社によって特色があるようだ、とアサ芸ビズが報じている。
編集者:いまトピ編集部