2025/6/16 09:33

『ドラマ』女性人気が上昇!予想以上の高評価「想定外のヒット」

芳根京子

今期のドラマでフジテレビ系『波うららかに、めおと日和』が予想外の高い支持を獲得し、主演の芳根京子の評価が急激に高まっている。とくに女性からの人気が大きく上昇しているのが特徴的で、同性の共感を集めるヒロイン女優として飛躍していきそうだ。

 今期のドラマでは、永野芽郁の出演で別の意味でも話題になったTBS系日曜劇場『キャスター』や北川景子が熱演を見せているフジテレビ系『あなたを奪ったその日から』、NHK朝ドラが酷評された橋本環奈のリベンジが注目されたテレビ朝日系『天久鷹央の推理カルテ』、中井貴一や小泉今日子らベテラン勢の円熟の演技で魅せるフジテレビ系『続・続・最後から二番目の恋』などの前評判が高かったが、いずれも思ったほどの盛り上がりにはならなかった。

今期のドラマ全体が低調ともいえる状況だが、そんななかで視聴者から予想以上の高評価となっているのが『波うららかに、めおと日和』だ。

『波うららかに、めおと日和』は、西香はち氏による同名コミックの実写化。昭和11年(1936年)を舞台に、恋愛経験すらないヒロインの江端なつ美(芳根)が突然舞い込んだ縁談によって帝国海軍の中尉・江端瀧昌(本田響矢)と「交際ゼロ日」で結婚し、互いに不器用な新婚夫婦の歯がゆくも愛らしい、甘酸っぱい時間が描かれるラブコメディだ。

 昨今のドラマ界は、SNSウケを狙った謎解きのストーリー考察や続きが見たくなる刺激的な展開といった仕掛けが全盛だが、本作にそれらの要素はなし。基本的に昭和初期の初々しい新婚夫婦の日々が微笑ましく描かれるのみだ。

 現代の視聴者からすれば「退屈」「地味」と思われかねない内容だが、これが考察での盛り上がりを狙った情報量の多いドラマやショッキング展開が続く作品に疲れた視聴者たちの心をつかみ、「癒されるドラマ」として想定外のヒットとなっている。

 この作品の成功の大きな要因となったのが、主演の芳根の演技力の高さだ。

 芳根は恋愛経験がなく男性への免疫もないという初心なヒロインを好演し、突然始まった新婚生活の中での困惑や喜びを、くるくると変わる表情やかわいらしいしぐさで表現。夫の名前を呼ぶだけで照れてしまったり、噛み合わない夫婦の会話でユーモラスな掛け合いをしたりと、視聴者をキュンキュンさせる演技を連発している。

芳根は現在28歳で、2016年度後期のNHK朝の連続テレビ小説『べっぴんさん』で主演を務めるなどキャリアは豊富。本来そのくらいの年齢でキャリアもあるとなると、これほどの初心な女性を演じるのは難しくなるが、今作では完全に「あまりにもピュアな清楚系ヒロイン」になりきっている。

 わざとらしくピュアなキャラクターを演じると「ぶりっ子」「あざとい」といった印象になり、女性視聴者からの反発を招きかねないが、芳根の演技はむしろ同性からの支持が高い。それだけ彼女の演技がうまく、ナチュラルにキャラクターを演じていることの証拠といえるだろう。

業界事情に詳しい芸能記者は、今作での芳根の演技についてこう評する。

「もともと芳根はノースキャンダルで清楚なイメージがあったが、さすがに結婚するまで男性を知らない初心な女性を演じるのは無理があるかと思いきや、時代設定が昭和11年で、結婚相手が帝国海軍中尉という一種の“時代劇”なので、まったく違和感がなかった。今作はときに戦争が物語に暗い影を落とすものの、基本的には明るいキラキラ系ドラマ。28歳という芳根の年齢を考えると、キラキラ系作品の主人公を演じるのは難しいはずだが、なるほどこの方法があったのかという新たな発見があった、とサイゾーオンラインが報じた。

『波うららかに、めおと日和』芳根京子のピュア演技はなぜ視聴者の心をつかむのか | サイゾーオンライン/視点をリニューアルするニュースサイト『波うららかに、めおと日和』芳根京子のピュア演技はなぜ視聴者の心をつかむのか | サイゾーオンライン/視点をリニューアルするニュースサイト

編集者:いまトピ編集部