2025/6/17 10:03

新たな存在『勝ちパターン』「上位争いの鍵を握る」

野球

「エース不在の空白」を黙々と埋める、頼もしき右腕と左腕――。

 2025年シーズン、巨人軍は「戸郷翔征の不調」「菅野智之の移籍」「中継ぎ陣の酷使」という三重苦を抱えながらも、首位争いに食らいついている。その陰には、静かに存在感を高めている2人の若手先発――山﨑伊織と井上温大の活躍がある。

彼らは決して「エース」として派手に君臨しているわけではない。だが、確実に“チームを救う仕事”をこなしている。まさに、「信頼されるローテーション投手」としての地位を築きつつあるのだ。

今季の巨人は開幕から苦しいローテーション運営を強いられてきた。まず、絶対的エースとして期待された戸郷翔征が不安定な投球を続けており、防御率もキャリアワーストに迫る数字を記録。さらに、長年先発陣の屋台骨を支えた菅野智之が海外FAで移籍。加えて、勝ち試合を取りにいく中で中継ぎ陣の連投が続き、夏場に入る前から疲弊の色が見え始めていた。

 こうした中で、ローテーションの軸となる新たな存在が強く求められていた。

 勝てるチームには「計算できる先発」が不可欠だ。QS(クオリティ・スタート)の積み重ねが中継ぎ陣の負担を減らし、勝ちパターンの起用を整える。すなわち、安定した先発こそがブルペンを整備し、勝利への土台を築く。

 山﨑と井上の登板日は、ブルペンが休める。これが、ここ最近の巨人にとってどれだけ大きな意味を持つかは明白だ。チームは彼らが投げる試合で無理をせず勝ちを拾い、接戦ではなく完投、あるいは7回までのゲームメイクで中継ぎを温存できている。

 山﨑は今季、キャリアハイを更新する勢いで、防御率1.08(6月13日時点)という安定感を見せている。これはセ・リーグの先発投手の中でもトップクラスの数字であり、単なる好調ではなく「ローテを支える柱」としての存在感を放っている。

試合を壊さない投手としての信頼は厚い。球威や変化球のコンビネーションも冴えており、右打者に対する被打率.186、左打者に対しても.181(6月13日時点)と、左右関係なく安定した成績を残している。

 勝ち星としては6勝1敗と勝率も高く、「数字以上に信頼できる投手」という評価をチーム内外から受けている。もはや“裏ローテの若手”ではなく、“勝ち頭候補”としてチームの屋台骨を支える存在だ。

 井上は今季、開幕から先発ローテを守り続け、防御率3.08、奪三振率8.39(6月13日時点)という内容を残している。勝敗こそ3勝5敗と苦しいが、登板ごとに粘り強く試合を作っており、特にリズムの良い投球でチームに“勢い”をもたらす存在となっている。

 印象的だったのは4月22日の中日戦での8回14奪三振1失点の快投だ。井上の登板日は「チームが活気づく」「リズムが生まれる」と評され、勝ち負けを超えた“空気を変える力”を持っている投手だ。

 山﨑も井上も、まだ“エース”という称号には遠いかもしれない。だが彼らには、“毎週必ず仕事をしてくれる安心感”がある。

 炎上が少なく、球数も計算でき、首脳陣が余計な采配に頭を悩ませる必要もない。こうした投手がローテーションに2人いるというだけで、チーム全体の戦い方に余裕が生まれる。

 真のエース・戸郷が完全復活し、再び先頭に立つ日まで。チームの勝利を“計算できる若手先発”が支えていく。

その筆頭が山﨑と井上だ。彼らがいるからこそ、チームは焦らず、戸郷をじっくりと立て直すことができる。そして彼らの働きが、秋に向けた上位争いの鍵を握るのは間違いない。とサイゾーオンラインは報じた。

安定したローテ運営が“勝ちパターン”に直結! 山﨑伊織と井上温大――巨人を救う2人の若手先発たち | サイゾーオンライン/視点をリニューアルするニュースサイト安定したローテ運営が“勝ちパターン”に直結! 山﨑伊織と井上温大――巨人を救う2人の若手先発たち | サイゾーオンライン/視点をリニューアルするニュースサイト

編集者:いまトピ編集部