ラストワンカットの衝撃『ドラマ』最終回、視聴率12.0%を記録「約10秒だけ登場」

阿部寛主演ドラマ『キャスター』(TBS系)の最終回が6月15日に放送され、平均世帯視聴率12.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人7.1%を記録。昨今の「日曜劇場」としては高視聴率となったという。
完全オリジナルストーリーの『キャスター』は、テレビ局の報道番組を舞台に闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく社会派エンターテインメントで、型破りなキャスター・進藤壮一を阿部、その進藤に振り回される総合演出・崎久保華を永野芽郁、進藤を尊敬するジャーナリスト志望の新米AD・本橋悠介をなにわ男子・道枝駿佑が好演したとのこと。
同作の印象について、ドラマライターの北村有氏は
「日曜劇場らしい骨太なテーマと、ドラマティックな展開が駆け抜けていったなあ、というのが率直な印象です。阿部寛さん主演という時点で重厚感がある作品になりましたが、特に自衛隊輸送機墜落事故をめぐる闇が、国のトップにまで及ぶ構造的な腐敗として描かれた点は、『社会の縮図』を映すドラマとしての強度を感じさせてくれたと思います。進藤の報道マンとしての信念と、過去と向き合いながら泥臭く真実を追い続ける姿勢は、作品の背骨として魅力的に機能していたように見えます。
また、永野芽郁さん演じる崎久保の成長と決断も注視されていましたが、最終回に近づくにつれ一気に存在感を増したのは、ヒコロヒーさん演じる鍋田雅子でしたね。報道の裏で動く人間の静かな勇気や、過去に封じられていた『三人の約束』の真相など、多層的な物語が絡み合い、ラストは『終わり』でありながら『始まり』も予感させる絶妙な幕引きでした。これは池井戸作品を彷彿とさせる泥臭い正義が生きた秀作だったと思います」
と語る。
そんな最終回では、timeleszの寺西拓人が怪しい男の役で約10秒ほど登場したことも話題となっているといい、前出の北村氏は
「終盤のほんの数秒、しかもセリフは電話でのやり取りのみ。それでも寺西さんの登場は、視聴者の心に強い印象を残したのではないでしょうか。足を引きずる謎の男の存在も相まって、さらなる推理を誘う余白があり、まさに“ラストワンカットの衝撃”として機能していたと思います。寺西さんの、主に舞台での経験で培われた存在感と柔和な雰囲気は、たった数秒の出演でも不穏さを醸し出すのに一役買っていました。
寺西さんは映像作品の出演はまだ少ないものの、ステージでの集客力や安定した芝居力には定評があります。今回の起用は、演技力だけでなく話題性・将来性を見込んだものでしょう。続編や劇場版への橋渡しとしてこれ以上ないカードが切られたという印象もあります。今後、もし続編や劇場版があるとして、彼がどのようにこの作品の世界観に食い込んでくるのか、次の展開が非常に楽しみです」
とも話していると「サイゾーウーマン」が報じている。
編集者:いまトピ編集部