話題の『映画』役名すら明確ではない設定「台本無視のアドリブ」も

連続企業爆破事件の容疑者ながら、およそ半世紀に及ぶ逃亡生活を続けた桐島聡がモデルの映画「桐島です」(渋谷プロダクション)が公開され、話題を呼んでいる。
同作において、主人公の桐島を演じる毎熊克哉に劣らず、独特の存在感を放っているのが甲本雅裕だ(写真右)。劇中で桐島の隣に住むミステリアスな男性を演じるが、なんとその役名すら明確ではない設定である。7月5日の舞台挨拶では、
「台本にも『隣の男』としか書かれていません。いまだに名前がよくわかりません(笑)」
と甲本本人も苦笑いを浮かべながら、会場の笑いを誘っていた。
この日は桐島のジョークに台本無視のアドリブで返したシーンの裏話も明かされた。本来ならば「笑えないな」というセリフを言うはずが、実際の撮影では思わず言葉を失い、ただ頷くだけの演技になったというのだ。
甲本が振り返る。
「世界を沈黙させるような、つまらないギャグを言うんです。それで声も出さずに、ただ頷くだけだったんですね。でも一応、台本がありますから、それを言わないのも(役者として)アレなんですけど、高橋伴明監督が毎熊君に『この男はもう喋らないから、それを見て桐島がリアクションして』と指示を出されていて、僕もなんかホッとして…」
アドリブを受け入れてもらい、安堵したのだった。さらに役作りについては、独特の言い回しで説明。
「スパイスでいえば『甘いのか辛いのか、どっちなの?』みたいな。どこかぬるっとした人間像をイメージしながら、役作りしました。(映画を見た)お客さんが、スパイスになっていたと思ってくれればいいんですけど、ただの粉だったらどうしよう」
謙遜しながらもうまく話にオチをつけて、会場を笑いに包んだのだった。
名バイプレイヤーとして、映像作品に欠かせない甲本。その手腕は銀幕だけでなく、舞台挨拶でも存分に発揮されていたのであるとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部