興行収入44億円を突破「4週連続右肩上がり」22年ぶり100億超えなるか「V3達成」

最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、7月4~6日)で、吉沢亮が主演を務める実写映画『国宝』(6月6日公開)がV3を達成した。
7月7日発表の全国週末興行成績ランキングでも首位を守った『国宝』は、小説家・吉田修一氏の同題作品(朝日新聞出版)を李相日監督が吉沢主演で実写化。上映開始から5週目の週末3日間も観客動員43万9800人、興行収入6億4600万円と、4週連続で右肩上がりを続け、累計興収は44億円を突破した。
公式Xでは「金土日の興行収入 4週連続 前週比超え!興行収入135億円を突破した『ボヘミアン・ラプソディ』に並ぶ記録に!」(原文ママ、以下同)と打ち出している。映画ライターのヒナタカ氏によれば、「実際に、興収の伸びはほぼ同等のペース」だという。
「5週目での累計興収は『国宝』が44.8億円(31日間)、『ボヘミアン・ラプソディ』は44.0億円(30日間)でした。東宝配給作品が4週連続で前週比超えとなったのは、興収が発表されるようになった2000年以降では初めて。つまり16年公開の『君の名は。』(累計251.7億円)でもなし得なかったことであり、まさに歴史的な大ヒットといえるでしょう。ただ、7月18日からは特大ヒットが確定的で、劇場のスクリーン数の大部分を占めるであろう『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が公開されるため、他作品の興行に多大な影響を与えることは間違いなく、『国宝』は『ボヘミアン・ラプソディ』の最終興収135.1億円には及ばないかもしれません。それでも、03年の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(累計173.5億円)から22年ぶりに、100億円超えの実写邦画となることを期待したいですね」
続いて、2位の『F1(R)/エフワン』(6月27日公開)、3位の『リロ&スティッチ』(6月6日公開)、4位の『ドールハウス』(6月13日公開)、6位の『フロントライン』(6月13日公開)、7位の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(5月23日公開)、8位の『それいけ!アンパンマン チャポンのヒーロー!』(6月27日公開)は、いずれも前週と同じ順位をキープ。
そんな中、7月4日公開の『ババンババンバンバンパイア』が5位に、同日公開の『JO1 THE MOVIE「未完成」-Bon Voyage-』が9位に初登場。また、前回はトップ10圏外となっていた『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX』が今回10位に浮上した。
5位スタートを切った『ババンババンバンバンパイア』は、漫画家・奥嶋ひろまさ氏が「別冊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載中のBL(ブラッディ・ラブコメ)を実写映画化。主演は『国宝』と同じ吉沢が務め、銭湯のひとり息子・立野李仁(板垣李光人)の成長と純潔を見守る450歳のバンパイア・森蘭丸を演じている。吉沢と板垣のほか、原菜乃華、関口メンディー、満島真之介、眞栄田郷敦、堤真一など豪華キャストが出演。
「『国宝』の撮影時期は24年3~6月、『ババンババンバンバンパイア』は同年7~8月のようなので、結果として撮影順と公開順が一致した形になりました。結果論ではありますが、ネット上ではこの公開順で良かったという声が多く、筆者もそれに同意します。なぜなら、『ババンババンバンバンパイア』における吉沢は、本来は恐れられる存在のバンパイアなのに、同居する“15歳のピュアボーイ”(板垣)のキュートさを目の当たりにして『ズキュン!』や『かわいい!』などと裏返った声で口走るギャグキャラクターなんです。『真剣にバカなことをやる』『時には良い意味で全力でふざける』吉沢を見て、そのイメージがつきすぎると、『国宝』でのシリアスな役柄を真面目に見ることなんてできなくなりそうですから(笑)」(前出・ヒナタカ氏)
真逆ともいえる作風の2作だが、その一方で通じる部分もあるようだ。
「『国宝』での吉沢は、横浜流星演じる歌舞伎の名門の跡取り息子の血筋に嫉妬するあまり、『お前の血をコップに入れてガブガブ飲みたいわ』と言ったりするのですが、『ババンババンバンバンパイア』の吉沢も、『18歳童貞の血を狙う』という、文字通りに“血を渇望する”という、偶然にしては出来すぎな共通点があります。しかも、前者では“歌舞伎役者としてのアイデンティティ以外は何もない”、後者では“バンパイアのため愛しい人と死別しても長い時を生きなければいけない”という、『虚無』的な印象を抱かせるシンクロ要素もありました。こんなふうに、正反対のようで似ているところもある役柄を演じた吉沢の演技力の高さは、両者を続けて見てこそ、再確認できるところもあるはずです」とサイゾーウーマンは報じた。
編集者:いまトピ編集部