『連続ドラマ』すでに終了していたか「信じたくない」

1999年より25年にわたり放送されてきた沢口靖子主演連続ドラマ『科捜研の女』(テレビ朝日系)。2024年7月期の「season24」を最後に「すでに終了していた」と一部メディアが報じ、ネット上では「信じたくない」「デマであってほしい」などと悲痛の声が上がっている。
東映制作の『科捜研の女』シリーズは、京都府警科学捜査研究所を舞台に、DNA鑑定・画像解析等を駆使して犯罪を解明する法医研究員・榊マリコ(沢口)の活躍を描くミステリードラマ。これまで不定期ながら“年1”ペースで放送され、さらにスペシャルドラマや劇場版も制作された。
そんな同作の平均世帯視聴率は01年放送の「season3」以降、期間平均で2ケタが長らく続き、近年も「season24」の第3話が平均世帯視聴率8.8%を叩き出すなど、数字は概ね安定しているようにも見えた。
しかし、視聴者の年齢層が高めであることから、テレビ局が重視するコア視聴率では物足りない数字が続いていた様子。加えて、シリーズ終了を報じた「女性自身」(光文社)によると、京都の東映撮影所での高額なロケ費用も負担になっていたという。テレビ誌の編集者が話す。
「高視聴率ドラマとして知られる『科捜研の女』ですが、近年は若い視聴者の取り込みに苦戦しているようです。そのためか、22年放送の『season22』でそれまでの人間味あふれるコミカルなテイストが排除されてスタイリッシュな作風に一新されたかと思えば、23年の『season23』で第1話からマリコのダジャレが炸裂して以前のテイストに少し戻ったりと、テコ入れによる右往左往が見られました。新レギュラーとして加藤諒が加わった昨年の『season24』もドラマファンから好評だっただけに、マリコから別れのあいさつもないまま終了してしまうとしたら寂しいですね」
『相棒』と並ぶテレ朝の看板ドラマとして長年親しまれ、熱心なファンも多い『科捜研の女』。同作が好調だった頃、局内ではどのような立ち位置だったのだろうか。元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏が振り返る。
「『科捜研の女』と『相棒』は、社内でも本当に特別な存在でした。いずれも、テレビ朝日の親会社である東映が制作するドラマであること、そして沢口靖子さんが非常に大物でテレビ朝日にとっては特別待遇の女優さんであったこと、熱烈なファン層が固定客としてしっかりついていることから視聴率的にも高値で安定していたことなどがその理由です。言ってみれば『全社的にプライオリティが置かれている特別な案件』であり、そこらの普通のドラマとは扱い方が明らかに違いました」
同シリーズの終了を報じた「女性自身」によれば、主演の沢口は「もっと続けたい」と考えているとか。さらに、長年の功労者ということもあり、テレ朝ははっきりとは終了を伝えづらい状況にあると報じている。
『科捜研の女』に限らず、こうした不定期放送の長寿番組が終わりを迎える際、局側は大物出演者にどのようにそれを伝えるのだろうか。前出の鎮目氏はこう話す。
「テレビ業界人の『最も大切な仕事』のひとつは、番組の終了を重要な関係先(大物芸能人、重要な制作会社や芸能事務所)に『いかに機嫌を損ねずに円滑に伝えて納得してもらえるか』ということであると言っていいと思います。きちんと伝えなければならないのは当然ですが、伝え方に失礼があって先方の機嫌を損ねてはならないので、非常に難しいですし、場合によっては先方に納得してもらうために別番組の出演などの“お土産”を用意することもあります。『科捜研の女』のような、局にとって特別な存在感がある重要番組だと、終了を伝えるのはもはやプロデューサーレベルではなく、もっと上層部が行うことが多いと思います。それだけ全社的に重要な案件として、円滑に行わなければならないものなのです。
そうした視点で見ますと、通常は『科捜研の女』クラスのドラマが終了する際にはもっと大々的に『いよいよ最終回』といった感じで、いわばお祭り的に盛り上げて終わると思うのですが、もしこれで終了するとしたら、若干異例な感じがします。『何か事情があったのだろうか』と考えたくもなりますね」
過去にもシリーズ終了や主演交代などがマスコミに報じられたものの、一蹴するように制作を継続してきた『科捜研の女』。ただ、テレ朝といえば、前身番組『警視庁捜査一課9係』から約20年続いた『特捜9』シリーズを先月終了させたばかりだけに、マリコファンは気が気でないだろうとサイゾーオンラインは報じている。
編集者:いまトピ編集部