史上最多、観客数は6万7032人を記録「前売りチケット早々に完売」

7月30日、イングランド・プレミアリーグの強豪、リバプールFCが20年ぶりに来日を果たし、横浜F・マリノスと日産スタジアムで対戦したこの試合。平日夜という条件にもかかわらず、観客数は6万7032人を記録し、Jリーグ主催試合として史上最多の観客動員数となった。
試合前には「J2降格危機の横浜FMとリバプールでスタジアムが埋まるのか?」と疑問の声もあったが、前売りチケットは早々に完売。蓋を開けてみれば、スタジアムはリバプールのチームカラー“赤”で染まり、実質的には“ホーム”を乗っ取られたような形に。ある横浜FMファンは「チケットが全く取れず、現地観戦できなかった」と悔しさを語る。
今回の試合は、単なる親善試合にとどまらず、Jリーグの新ビジネス戦略が強く反映された一戦でもあった。今年4月、Jリーグは国立競技場の収益化を狙ったグループ会社に参加しており、その関係で今回の試合にも参加企業が多数参戦。中でもNTTドコモはスポンサーとして試合に深く関与し、当日はスタッフがドコモロゴ入りのジャージを着用するなど“企業色”も目立った。
「興行的には大成功。スタジアムを満員にすることが最優先だった」(関係者)との声もあり、空席・赤字は絶対に許されない興行であったことが伺える。当然ながら、横浜FMにも億単位の収益が見込まれる一戦であった。
肝心の試合は、前半に横浜FMのFW植中朝日が先制ゴールを決めるも、リバプールが後半に3得点を奪って逆転勝利。世界トップクラスの実力を見せつけた。
植中は試合後、「忘れられない試合になった」とは言いつつも、手応えについて聞かれると「何もない…」と率直な心境を吐露。華やかな舞台の裏にあった現実と実力差を痛感するコメントとなった。
リバプール戦は確かに「数字」としては大成功を収めた一方で、ホームチームの存在感の希薄さや、企業主導の色合いの濃さが残った。今後、Jリーグがこうした“興行主義”と“スポーツ文化”のバランスをどう取っていくかが問われているとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部