【夏の高校野球】前代未聞...「拒否」か

旭川志峯(北北海道)ナインの言動が、なぜ非難されるのか。こんな声が一夜明けても収まらない。甲子園球場で「全国高校野球選手権大会」が行われているが、大会3日目の8月7日に、なんとも珍しい光景が繰り広げられた。
野球部員による「集団暴力事件」が発覚した広陵高校(広島)が、旭川志峯に3-1で勝ち、2回戦進出を決めた後のことだ。従来なら両軍ナインがホームベースを間にしてそれぞれ1列に並び、試合終了を知らせるサイレンが鳴ると歩み寄り、握手をして健闘を称え合う。
ところが、この日はそうではなかった。敵味方でハグを交わす選手、握手をする者はいたが、旭川志峯ナインの何人かは、広陵ナインが差し出した手を握り返さず、そのまま走って自軍ベンチに戻るシーンが見られたのだ。これが関係者のみならず、高校野球ファンを驚かせることに。
長年、高校野球の取材をしてきたスポーツ紙アマチュア野球担当記者が、問題の場面を振り返る。
「本当に握手を拒否したのかは分からないが、そんな光景は、身体的な接触を禁じられたコロナ禍以外には見たことがない。ある意味、不思議な感覚でした」
広陵の暴力事件に関しては「なぜ出場を辞退せず、そのまま試合に出ているのか」「高野連の処分の基準が分からない」との声が、マスコミ各社に寄せられている。だが、広陵に対してだけではなく、旭川志峯ナインの握手拒否ともいえる言動を非難する声もあるのだ。
前出のアマ野球担当記者はこう話す。
「ウチの媒体にも『旭川ナインの言動はおかしい。高校生らしくない』との意見が寄せられています。でも、選手たちを責めるのはお門違いでしょう。旭川志峯の選手たちは、広陵の騒動は知っているはず。試合後、いきなり手を出されて戸惑った選手はいたと思いますよ」
昔に比べてコンプライアンスが格段に厳しくなっている時代に、暴力沙汰は言語道断だ。本来ならば、厳しい処分が課せられても仕方がなかろう。しかし、その騒動に巻き込まれた形の、旭川志峯ナインの言動を揶揄するのはどうなのか。
「高野連も広陵側もきちんと調査をして、事実関係を明らかにした方がいい。二次、三次被害はあってはならない」(前出・アマ野球担当記者)
とアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部