急増の予想「発症者の9割以上がA型かO型」日本全国で重症例

本サイトは6月21日に〈ついに獣医師からも死者が!犬や猫からもうつる「致死性マダニ感染症」恐怖の大流行と対処法〉と題する記事を公開。ウイルスを持ったマダニに食い付かれることで発症する、致死的な感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の重症例や死亡例が、全国各地で相次いでいることを指摘した。
SFTSの致死率は、最大で約30%。吸血マダニに咬まれることが主たる感染ルートとされているが、SFTSに感染した犬や猫に引っかかれたり、血液などの体液に触れたりすることで、ヒトにうつるケースが報告されている。三重県では今年5月、SFTSに感染した猫の治療を行った獣医師が呼吸困難などを訴えて緊急搬送され、数日後に死亡するという衝撃的な事例が発生した。
加えて、生息域の広がりも不気味だ。これまでマダニの生息域は、西日本を中心とする関東以南とされてきた。ところが地球温暖化による急激な気温の上昇によって、最近は東北や北海道でもSFTSの発症例が報告され始めており、今後は全国レベルで重症例や死亡例が急増していくとみられている。
そんな中、マダニをめぐる「新たな脅威」が浮上した。アメリカの疾病対策センター(CDC)が公表した最新の研究報告によって、吸血マダニが深刻な「肉アレルギー」を引き起こすことが明らかになってきたのだ。
マダニの唾液には「アルファガル」という物質が含まれており、吸血の際、マダニは口器を通じてヒトの体内にアルファガルを注入する。このアルファガルは有害な異物と認識され、ヒトの体内でアルファガル抗体が作られる。その結果、牛肉や豚肉などの肉類を食べると、体内でアルファガル抗体が暴走反応して、深刻な肉アレルギー(アルファガル症候群)を引き起こすというのだ。
食物アレルギーに詳しい専門医が指摘する。
「すでに日本でも、マダニによる肉アレルギーが報告され始めています。肉アレルギーは肉類を摂取してから数時間後に発症することが多く、蕁麻疹や呼吸困難などの症状が現れますが、最悪の場合はアナフィラキシーショックによって、死に至ります。中でも注意を要するのが、発症者の9割以上を占める、A型とO型の血液型を持つ人です。さらに、マダニ咬まれた回数が多いほど重症化する傾向がありますから、マダニに咬まれた時には必ず、医療機関でアルファガル抗体検査を受けてください」
吸血マダニは山野だけではなく、街中のちょっとした植え込みなどにも生息している。茂みのある場所に立ち入る際には「なるべく肌を露出させない」「ダニ除けスプレーを使用する」などの防御策が必須であることは言うまでもないとアサ芸プラスが報じた。
編集者:いまトピ編集部