大迷走『マイナ保険証』新たな大危機の可能性

マイナンバーカードに健康保険証の機能を組み入れた「マイナ保険証」をめぐる政府の対応が、大迷走している。
政府は当初、今年12月までに紙の保険証を全て廃止してマイナ保険証に一本化すること、マイナ保険証を持たない人には期限付きの資格確認書を配布するとしていた。
ところが今年4月、75歳以上の後期高齢者についてはマイナ保険証の有無にかかわらず、全員に資格確認書を配布することを追加決定。続く6月には、国民健康保険加入者は有効期限が切れていても紙の保険証を利用できること、さらに8月からは後期高齢者も同様に紙の保険証を利用できるとしたのである(いずれも最長で今年末まで)。
まさに何をしたいのかさっぱりわからぬ、右往左往ぶり。たび重なる「朝令暮改」によって、利用者である国民はもとより、医療機関の窓口事務も大混乱に陥っている。
そんな中、新たな大危機が取り沙汰されている。来年3月までに、1580万枚に上るマイナ保険証が「期限切れ失効」となる可能性が浮上してきたのだ。
マイナンバーカード自体の有効期限は10年とされているが、カードに搭載されている電子証明書は5年で有効期限が切れてしまう。そして電子証明書の更新手続きを行わなかった場合、マイナ保険証も期限切れ失効となってしまう。
「来年3月までに電子証明書の更新が必要となるのは、いち早くマイナンバーカードを取得した約1580万人。しかし政府によるアナウンスはお世辞にも十分とは言えず、このままでは大量の期限切れ失効によって、保険診療を受けられなくなる人が続出することになるでしょう。政府は期限切れ失効から3カ月の猶予期間を設けていますが、これもまた屋上屋を重ねるがごとき、朝令暮改の感を拭えません」(全国紙社会部記者)
そもそも取得が「任意」とされている、マイナンバーカード。これにマイナ保険証を組み入れたこと自体、制度設計の間違いがあったと言わざるをえない。
今からでも遅くはない。この際、政府は「マイナ保険証と紙の保険証の併用」という原点に立ち戻るべきではないのかとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部