2025/9/2 18:26

『映画』公開13日間で観客動員数196万人、興行収入26億円「シンプルでまっすぐ」

映画館

映画『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』が好調だ。8月1日に封切られると、公開13日間で観客動員数196万人、興行収入26億円を記録。興収45億円を突破した前作『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2023)との公開初日午後3時時点の動員対比は160%というロケットスタートを切った。

2021年にTBS「日曜劇場」枠で放送されたドラマ版は、最終回で世帯平均視聴率19.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)をマーク。同年放送の民放ドラマ1位を飾った『ドラゴン桜』最終回(20.4%)、『天国と地獄・サイコな2人』最終回(20.1%)に続く快挙で、その後もスペシャルドラマや劇場版など、人気シリーズとしての礎を築いてきた

映画に限らず、さまざまな創作物において、昨今“定番”のテーマこそ独自の切り口が求められ、あの手この手でひねりが加えられてきた。ド直球でヒットを叩き出すのは難しそうにも思えるが、映画評論家・前田有一氏は『MER』ヒットの秘訣として「専門性やキャラクターを中途半端に掘り下げない潔さ」を指摘する。

「かつては、セリフや展開を『ゆっくり』『短く』『少なく』提示し、視聴者に内容を理解・解釈する時間を与えることが“わかりやすさ”でした。ところが最近では、内容以上に“雰囲気のわかりやすさ”が重視される。“わかりやすさ”の定義が変化しているんです。

本来医療ドラマなら、医療用語やなぜその手術をするかなど、ある程度の専門的な説明があってもよさそうなところ、『MER』ではそうした説明は極限まで削られ、オペシーンでのやりとりも、全員が超早口で何がなんだかわからない。ともすれば観客は置き去りにされてもおかしくないのに、むしろ凄まじい情報量の洪水に飲み込まれ、緊迫感のある状態に没頭できる」

近年ドラマや映画ではナレーションやテロップなどで説明を補足することも多いが、本作にはそれもない。作り手側が「わからないものはわからなくていい」とばかりに、テンポ重視に振り切っているため、観客にとっても「理解しないと全体像が見えない」というストレスがないのだ。

情報にも考察にも疲れた脳、そして殺伐としがちな現代社会において、『MER』は人が助かったら涙する、というシンプルでまっすぐな感情を揺さぶってくると、サイゾーウーマンが報じた。

大ヒット劇場版『TOKYO MER』 鈴木亮平の高速セリフと怒涛のご都合主義が令和に与える「安心感」 | サイゾーオンライン/視点をリニューアルするニュースサイト大ヒット劇場版『TOKYO MER』 鈴木亮平の高速セリフと怒涛のご都合主義が令和に与える「安心感」 | サイゾーオンライン/視点をリニューアルするニュースサイト

編集者:いまトピ編集部