今季限りでの引退を発表「チーム一筋18年」

大谷翔平が所属するドジャースの生きるレジェンド、クレイトン・カーショー投手が今季限りでの引退を発表した。
ドジャース一筋だった18年間のメジャー生活で、ここまで通算222勝。今年7月2日のホワイトソックス戦で3000奪三振を記録するなど、文句なしの成績を残している。
そんな大投手のキャリアのスタート地点にいたのが、2008年に広島から移籍した黒田博樹(現・広島球団アドバイザー)だったことは、よく知られた話だ。
「この年のスプリングトレーニングで、2人は初めて出会いました。すでに日本で実績を積んでいる黒田に対し、初のメジャー昇格を目指すカーショーは、投球術について積極的に意見を聞くなどして意気投合。開幕ロースター入りは逃すも、5月に昇格した後は同じ『メジャー新人』同士でさらに親交を深め、黒田がドジャースに在籍した4年間は、常に試合前のキャッチボール相手だったそうです」(メジャーリーグライター)
黒田がドジャースからヤンキースに移籍する際、カーショーに「ドジャースに残ってほしい」と懇願され、感極まった黒田が男泣きしたという。
こんなエピソードもある。黒田が現役を引退した翌2017年、ドジャースタジアムを訪問した時のことだ。登板翌日で肩が張った状態のカーショーが「キャッチボールをしよう」と誘ってきた。メジャー新人時代を思い出し、キャッチボールに興じた後、カーショーが黒田に手渡したのは、5年間愛用したグラブ。そこには「ヒロへ、これからもずっと大切なキャッチボール相手だよ」というメッセージが書かれていたという。
そんな黒田は、大谷翔平とも不思議な「縁」がある。2人の対決はたった一度、2016年の日本シリーズ第3戦で実現した。
第1打席、第2打席は大谷が二塁打を放つ。そして第3打席、黒田は3球目に投じたフォークで、大谷をレフトフライに打ち取った。
しかし、満身創痍でシーズンを投げ切った黒田には、もう投げる力が残されていなかった。足首の痛みはすでに限界を超え、大谷の打席後に一度、ベンチに戻って状態を確認。自らの決断でマウンドを降りている。結果的に、これが黒田の現役最後の投球となった。
「大谷にとって、黒田は尊敬する投手でした。黒田の著書を愛読書とし、技術論や取り組み方に感銘を受けたと公言。最後の打席でも『勉強させてもらった』と敬意を払っています。黒田ものちに大谷との3打席を『できることはなんでもやった。最後に残っていた僕の野球人としての魂を、ギリギリまで引き出してくれた』と語っています」(スポーツ紙記者)
メジャーリーグを代表する2人のスター選手と黒田の間には、紡がれた絆が確かにあったのだとアサ芸プラスが報じた。
編集者:いまトピ編集部