『大手ファストフード』実は「加工卵」を使っていた『マクドナルド』月見バーガーは?

秋の風物詩としてファストフード各社から販売される「月見バーガー」。「卵」が欠かせないメニューだが、生卵ではなく人工的に作られた「加工卵」が使われている商品もあるという。
――「加工卵」とはどのようなものですか?
管理栄養士の猪坂みなみ先生(以下、猪坂) 「加工卵」にはいくつか種類があります。
まずは、液卵や冷凍卵、乾燥卵といった加工度の低いもの。液卵は、生卵を割って殻を取り除き、殺菌して衛生的にパックしたものです。
製菓・製パン、社員食堂やホテルの朝食など、大量調理の現場で使われており、殻を割る手間を省きつつ、食中毒リスクを下げられるのがメリットです。
一方で、半熟風たまごや目玉焼き風オムレツといった加工度の高いものもあります。これらは一度割った卵の中身を殺菌したうえで、ゼラチンや糖質、油脂などを加えて「とろりとした半熟食感」を再現したもの。
ファストフードやお惣菜のように、調理から食べるまでに時間が空くことの多い食品で活躍します。生卵を半熟で提供すると衛生上のリスクが高くなるため、安全性と食感の両立を目的に開発されたのが特徴です。
――通常の卵と比較して、栄養面からみたメリット、デメリットを教えてください。
猪坂 液卵のような加工度の低いタイプは、栄養面では殻付きの生卵とほとんど変わりません。
一方で、半熟風たまごなど加工度の高いタイプは、前述の通り、作る過程でゼラチンや糖質、油脂などが加えられていることがあります。そのため、商品によっては脂質や糖質などが増えることがあります。
また、卵に含まれる栄養素の中には「熱に弱いもの」もあります。特にビタミンB群や抗酸化成分の一部は、加熱処理によってやや減少する傾向があります。
ただし、これは家庭で卵を加熱調理した場合にも同じことがいえるので、「加工卵だから特別に栄養が大きく失われる」というわけではありません。
――ファストフード各社で「月見バーガー(フォカッチャ)」が販売されていますが、生卵が使われている店と加工卵が使われている店を、それぞれ教えてください。
猪坂 マクドナルドでは、公式ホームページによると、店舗で卵を割り、一つひとつ焼き上げているそうです。
生卵をそのまま使う場合は、中心までしっかり加熱しないと食中毒のリスクがあるため、マクドナルドでは安全性を重視して完全に火を通しています。その分、半熟ではなく、固めの食感になります。
一方、ケンタッキーの「目玉焼き風オムレツ」、ロッテリアの「半熟風たまご」、モスバーガーの「鶏卵加工品」はいずれも加工卵です。
これは「半熟のとろりとした食感を楽しんでほしい」という狙いからだと思います。先ほどもお伝えしたように、飲食店で生卵を半熟のまま提供するのはリスクが高いため、生卵ではなく半熟風の食感が味わえる加工卵が使用されているのです…
詳細については「スーパーマーケットファン」で。
編集者:いまトピ編集部