『JR』発表「やっと」長年の不満が改善へ

長年「わかりにくい」と批判されてきたJR各社のインターネット予約システムに、ようやく変化の兆しが見えてきた。JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の4社は共同会見を開き、現在バラバラに運用されている予約サービスを連携させ、2026年度以降に「ログインの共通化」を実現すると発表した。
現在、JRのネット予約は「えきねっと」(東日本)、「EX予約」(東海)、「e5489」(西日本)、「JR九州インターネット列車予約」の4サイトが独立しており、利用者は区間ごとに異なるアカウントでログインし直さなければならなかった。たとえば、東海道新幹線で名古屋から東京に移動し、そのまま東北新幹線に乗り換えて仙台に向かう場合、従来は「EX予約」と「えきねっと」を別々に操作する必要があった。しかし今後はどちらかにログインすれば、予約を一度に完了できるようになる。
今回の発表では、まず2026年度中に「EX予約」と「e5489」の間で連携を開始し、その後、4サイト全体での共通ログインが可能になる予定だ。これにより、利用者は他社サイトにログインし直すことなく、シームレスに複数路線の予約ができるようになる。インバウンド観光客を含む幅広い利用者にとって、大きな利便性向上となることは間違いない。
ただし、今回の改善はあくまで「ログイン共通化」にとどまる。サイトやアプリ自体を統合し、完全に一本化した予約サービスへと進化するには至っていない。
「各社のシステムは独自に長年運用されており、データベースや運賃計算ロジックが異なります。単純に統合するのは困難で、膨大な開発費用と時間が必要になる」(鉄道ジャーナリスト)
利用者からは「海外の鉄道予約アプリはワンタップで完結するのに、日本は複雑すぎる」「もういい加減ひとつにまとめてほしい」という声が根強い。実際、国内利用者だけでなく訪日外国人にとっても「システムがわかりにくい」という不満は長年の課題だった。今回の連携は利便性向上に向けた一歩であることは確かだが、多くの人にとっては「やっと動き出した」という印象が否めない。
鉄道が日本の観光と移動の要である以上、利用者が安心してスムーズに使える予約システムは不可欠だ。今回の改善が「小手先の便利さ」で終わるのか、それとも本格的な統合に向けた布石となるのか。国内外の利用者の視線が注がれているとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部