佐々木朗希、変貌させたのは、ヒル

ドジャースがリーグ優勝決定シリーズでブリュワーズを破り、2年連続のワールドシリーズ進出を決めたという。その第4戦で大活躍したのは二刀流の大谷翔平だが、ウィニング投手は佐々木朗希。佐々木の奮闘もまた、目を見張るものだったといい、現地記者は
「ポストシーズンマッチが始まってから、佐々木の評価が爆上がりです。ペナントレース終盤、テスト起用のような形でリリーフ登板しました。リリーバーがこぞって不振に陥り、その穴埋めというか、いわば臨時起用だった。ところが今では『来季はクローザーに定着させるべきだ』の声が聞かれます」
と語る。
前半戦、そして右肩を痛めてリハビリに専念していた頃とは、まるで別人だといい、表情には自信が漲っているようだが、佐々木を劇的に変貌させた舞台裏が見えてきた様子。
「アリゾナでいい会話ができたようだね」
これが佐々木が初の救援マウンドに上がった9月23日(現地時間)の試合後に出た、デーブ・ロバーツ監督のコメント。アリゾナにはドジャースのマイナー施設があるといい、この時は「3Aでも腐らずに、きちんと練習をしたのだろう」くらいにしか思っていなかったが、実は深い意味があったという。
そのマイナー施設にはドジャースの投手陣だけでなく、首脳陣が全幅の信頼を寄せるピッチングディレクターがいるといい、前出の記者は
「ロブ・ヒル氏による指導です。まだ30歳と若く、元々は野球選手の強化施設である『ドライブライン・ベースボール』で働いていました。そこでの評判を聞きつけ、ドジャースが迎え入れたんです」
と話す。
ヒル氏は理論派だというが、佐々木を変貌させたのは、ヒル氏の指導が分かりやすかったから、というだけではないようで、ヒル氏はまず「私にどんなふうに教えてほしいのか」と佐々木に質問したそうだ。厳しく指導されたいのか、優しく接してほしいのか、指導内容は大まかなものがいいのか、事細かに教えてほしいのかを確認したという。
「ヒル氏は選手を指導する前に『どういうふうに接してもらいたいのか』を聞くケースが多いんです。佐々木に対しては、長く時間をかけて確認していました」(ドジャース関係者)
佐々木は口数が少なく、表情も乏しい。そして何を考えているのか分からない時があるといい、明るく温和な大谷、几帳面ながらロッカールームでは饒舌になる山本由伸とは性格が違うという。ドジャース首脳陣や米メディアはひと括りに「日本人選手」と言うが、その性格の違いを強く感じていたようだ。
佐々木が「どういうふうに接してほしいか」の質問に、どう答えたのかはナゾだが、ヒル氏が「佐々木のトリセツ」を完成させなければ、佐々木のチーム再合流はなかっただろうといい、ドジャースが2年連続でのワールドシリーズ制覇に成功したら、ヒル氏こそがMVPだと「アサ芸プラス」が報じている。
編集者:いまトピ編集部