2025/10/25 18:16

『退職代行』利用ワースト10社「2位 コンビニ、4位 運送会社」「1位の業種はワースト10に4社もランクイン」

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本人に代わり勤務先に退職の意思を伝える退職代行サービス「モームリ」の運営会社「アルバトロス」(東京都品川区)と請負先の法律事務所に、警視庁が弁護士法違反などの容疑で家宅捜索に入った。弁護士資格がないにもかかわらず、弁護士に顧客を斡旋、紹介料を受け取っていた疑いがあるという。

 退職代行サービスが普及した背景について、運営会社の谷本慎二社長は過去に自身のXで、次のように解説している。
〈モームリを複数回利用された企業は4765社(全体の約10%)そのうち10回以上利用された会社は217社あります〉

 中には100回以上、つまり100人以上の従業員に退職代行を使われた企業が2社あるという。退職代行を使われたワースト10社の業種はというと…。
1位:人材派遣会社/2位:コンビニチェーン/3位:人材派遣会社/4位:運送会社/5位:自動車販売会社/6位:人材派遣会社/7位:運送会社、医療・福祉・教育関連サービス業者/9位:食品製造・販売会社/10位:人材派遣会社
 
 ワースト10に4社もランクインしている人材派遣業は厚生労働省が管轄する業界で、小泉純一郎政権や安倍晋三政権で要職に就いた竹中平蔵氏が拡大させた業界である。モームリ摘発前に、100人以上の社員が逃げ出すような企業を厚生労働省と労働基準監督署が断罪すべきだが、なぜブラック人材派遣会社は摘発されないのだろうか。

 実は筆者も今夏、弁護士に依頼して、人生で初めて退職代行サービスを利用した。看護師として働いていた勤務先から、次のように脅されたからだ。
「退職したら研修費用と退職に伴う損害など、数百万円を賠償請求する。こっちには大手法律事務所と顧問弁護士がついている」
 筆者の前任看護師はこの「賠償請求」という脅しで精神を病み、心が折れ、自ら命を絶ってしまった。

 役所や労働基準監督署に相談に行っても、門前払いである。相談窓口の担当者の言葉を紹介しよう
「現在の法律は、不当解雇から従業員を守る法律だから。労働基準監督署に相談したいなら、辞めないでくれ。退職意思があるなら何もできない。帰ってくれ」

 そこでモームリなどの退職代行サービスに依頼すると、今回も問題になった「弁護士法」の壁が立ちはだかる。退職代行サービスは労働組合業務とみなされており、本人に代わって辞表を出すことまではできる。だがそこで、企業と顧問弁護士が退職希望者に嫌がらせをするスラップ訴訟「退職に伴う損害賠償請求をする」と法的手段をちらつかされると、労働組合では対処できなくなるのだ。

 企業と顧問弁護士はこの労働組合の「業務の限界」を熟知しており、わざとスラップ訴訟をチラつかせる。こうなると退職希望者は退職代行料を支払った上に、自分で弁護士を探して手付金5万円から10万円を払わねばならない。

 弁護士を自力で探すといっても「法テラス」や行政の「弁護士紹介サービス」に連絡すると、予約が取れるのは3カ月後だとか言われてしまう。そうなるとモームリのような退職代行サービスに追加料金を払って、弁護士を斡旋してもらうしかない。
 昭和22年制定の「労働基準法」、昭和24年改正の「弁護士法」は雇用の現状とかけ離れており、むしろ労働者を自死や破綻に追い詰めている。

 なお、筆者が脅されたのは、反社会勢力でもなんでもない。都内23区内で「医療・福祉・保育関連サービス」を展開し、同業者と比較しても某区から突出した助成金を受け取り、東京都から表彰されている法人だった。
 非力な筆者は、前任者にも弁護士を紹介していれば…という悔恨とともに、冥福を祈ることしかできない、とアサ芸プラスが報じている。

退職代行「モームリ」家宅捜索で明かされた「退職したら損害賠償請求する」自殺者まで出した恫喝企業の実例「弁護士法」と「労働基準法」に殺される! | アサ芸プラス退職代行「モームリ」家宅捜索で明かされた「退職したら損害賠償請求する」自殺者まで出した恫喝企業の実例「弁護士法」と「労働基準法」に殺される! | アサ芸プラス

編集者:いまトピ編集部