前田健太(37)の動向は

オフに選手の入れ替えが激しく行われるのは、プロ野球では当たり前のこと。中日やヤクルトは投手・野手を幅広く整理し、ソフトバンクも実績ある中堅を含む大量の戦力外や退団が相次いだ。
こうした動きに対し、広島は例年通り、最小限の整理に留まっている印象が強い。外から選手を積極的に補強しない方針だけに、支配下枠の余裕はより大切になってくる。
広島は10月31日、支配下登録選手67人のまま、オフシーズンに突入した。第2次戦力外通告を終え、ドラフトで7選手を指名したことで枠が埋まり、補強の余地は少なくなった。
10月1日には上本崇司、田中広輔、松山竜平ら8選手に戦力外が通告され、10月25日には磯村嘉孝、韮澤雄也、山足達也ら4選手が続いた。空いた枠はほぼドラフト指名選手で埋まり、最終的には昨年同様の「満杯」状態。昨年、人的補償絡みで補強の余地が限られた苦い記憶があり、支配下枠の運用方法にことさら関心が向けられる。
最大の焦点は、前田健太の動向だ。メジャーリーグでの契約満了を受け、日米複数球団が調査している、と報じられている。ワールドシリーズが終わるとメジャーのFA市場が本格的に動き出すため、古巣・広島との交渉が実現する可能性が出てきた。
ネックとなるのは、支配下枠の余裕がない点。投手を1人加えれば、誰かが枠から外れることになる。編成の悩みどころだ。
さらには外国人枠の問題が。シーズン中盤に好投したドミンゲスは残留の可能性が報じられる一方、ハーンの去就は未定。ドミニカ出身選手を育成してきた球団方針も関係しており、コストバランスを含めた判断が迫られる。外国人投手をどれだけ残すのか、あるいは育成を優先して枠を絞るのか。このあたりも編成方針を左右するポイントになろう。
さらに2027年からセ・リーグでもDH制が導入されることで、長距離打者の補強や、既存選手の配置転換は避けて通れないテーマとなる。支配下選手の一部を育成契約に切り替えて枠を空ける案もあるという。
支配下67人という数字は上限の70人に迫っており、補強の選択肢を大きく狭めている。マエケンの動向、外国人選手の契約、トレードの判断など、いずれも登録人数の余裕が前提となる。
新井貴浩監督が育成重視の方針を貫くのか、それともピンポイント補強で層を厚くするのか。難しい決断なのであるとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部
