半世紀の歴史「終了」へ、悲しみの声

「スーパー戦隊シリーズ終了」のニュースに、悲しみの声が広がっている。現在放送中の「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」が最後の作品となるのだ。
てっきり週刊誌報道による、ゴジュウユニコーンに変身する一河角乃(いちかわすみの)役の今森茉耶と、主人公ゴジュウウルフの「中身」のスーツアクターの不倫スキャンダルという、子供の(そして一部のマニアの)夢を壊した出来事が原因かと思ったが、そうではないらしい。
共同通信の報道によると、終了の理由として「少子化による関連玩具の売り上げ低下」や「イベント収益の減少」が挙げられていた。
スーパー戦隊に限らず、変身ヒーローやロボットアニメは、その番組企画の段階で、スポンサーの玩具メーカーが、作中に出てくるキャラクター商品や、武器を模した玩具のデザインなどに深く関わっている。作品の世界観やメッセージ性といったことよりも「おもちゃとして、どれだけ子供たちに訴求するか」が大事なのだと。
悲しいことだが、少子化によってメインの客層が減り、もはや「おいしくない」コンテンツと見限られて切り捨てられた、ということなのだろう。こりゃあ「ウルトラマン」も「仮面ライダー」も、おちおちしていられないかもしれない。
想像するに少子化の影響で、5人集まってようやくひとつの戦隊を組める「スーパー戦隊」だと、いわゆる「ごっこ遊び」がしづらいということも、人気低下の要因ではないかと思う。
さらに怪人役にもう1人、できれば敵構成員の役も欲しいとなれば、そこそこの人数が必要になる。その上「お前はデブだからイエローだ」なんて言ったら「ルッキズムに反する」ってことになるだろうし。あるいは「女はピンクだろ」とでも言おうものなら「最近じゃブルーやブラックもいるもん。そもそも、そういう決めつけがよくない」と、フェミニズム云々なんて話になりかねない。
これじゃあ「俺がレッドだ」と息巻いていたガキ大将が「もう、やーめた」と意気消沈。そもそも、そんなふうに元気よく公園で遊ぶ子供など、とんと見たことがないし。
ところで1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」から数えて49作品、半世紀の歴史を誇った「スーパー戦隊シリーズ」には「長年続いた子供番組の老舗コンテンツ」という以上に、忘れてはいけない側面がある。
それは横浜流星、松坂桃李、志尊淳、千葉雄大、山田裕貴、竜星涼、などなどといった、のちにNHK大河ドラマや朝ドラで存在感を示す俳優たちの数々を世に知らしめるきっかけを作った、いわば「仮面ライダーシリーズ」に並ぶ、若手イケメン俳優の登竜門であったという事実だ。
メインターゲットの子供達よりも、一緒に見ていたママたちが「やだ、カッコイイ!」と瞳をハートにして夢中になり、その後の動向をしっかり追って応援していたことが、彼らの今の成功に結び付く大きな一因であったことは間違いない。
こういった「ママたちによる、次世代有望株の発掘」的な出会いまでもが、「スーパー戦隊終了」によって消滅してしまう。これは実に由々しき事態である。
テレビで若いピチピチイケメンを堪能できなくなったママたちが、欲求不満でホストクラブにハマッたりはしないかと、今から心配だ。だったら、お母さん世代をターゲットにした「ホスト戦隊ミツグンジャー」でもやるか。え、ダメかとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部
