『航空業界』異変

飛行機をはじめ、新幹線や特急などの鉄道、前方1ドア式の高速バスや観光バスの座席に、当たり前のように搭載されているリクライニング機能。北米カナダの大手格安航空会社(LCC)ウエストジェット航空はこのほど、座席リクライニング機能に前代未聞の方針を打ち出す。なんと、倒れないシートを標準仕様とすると発表したのだ。
対象となるのは、同社の主力機材であるボーイング737-8 MAX、737-800の43機。ただし、背もたれが倒れなくなるのは、あくまでエコノミークラスだ。これとは別にリクライニング機能をはじめ、大きなヘッドレストなどが付いた「プレミアムキャビン」が用意され、上位クラスの扱いになる。
なかなか大胆な試みだが、同社は事前にテストやリサーチを重ね、メディアに対しても「多くの乗客が固定式座席を好んでいるとの結果を得られた」といった内容のコメントをしている。確かにネット上での反応を見ると、思ったほど悪くはない。
飛行機のエコノミー席はスペースが狭く、前に座っている客がシートを倒すことで、さらに圧迫感感じてしまうのだ。
北米での利用者の多くは、日本などのアジア系よりも体格的に大柄な乗客が中心だ。倒された座席をめぐる乗客同士のトラブルは海外でも頻発しているが、最初から倒れない仕様にすることで、こうした問題を未然に防ぐことができる。そもそもリクライニング機能が付いていなければ、受け入れざるをえないからだ。
なお、ウエストジェットは導入を発表したばかりであり、まだ他の航空会社の追随の動きはない。だが「座席の有料化」は海外を中心に、LCC以外の航空会社でも次々と実施しており、預け荷物の有料化にしても、一部の航空会社ではすでに導入済みだ。
これが航空業界のトレンドとなる可能性は多いにあり、「エコノミーは倒れないシートが当たり前」という時代が、そう遠くない将来に訪れるかもしれない。とアサ芸プラスは報じた。
編集者:いまトピ編集部

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