大谷翔平、『報復死球』の危機だったか
Amazon							ブルージェイズは「グッドルーザー」だった。全7戦のうち延長戦2回と接戦が続いた今年のワールドシリーズは、ドジャースの2連覇で幕を閉じた。敗戦後、ブルージェイズナインの奮闘を称えつつ、相手チームへの敬意を表すことに徹したジョン・シュナイダー監督の会見が印象的だった。
「ブルージェイズは、家庭の事情でこのシリーズのメンバー登録から外れていたドジャースのリリーバー、アレックス・バシアの背番号51を帽子に記していました」(現地記者)
 ブルージェイズに拍手が送られた理由は、それだけではなかった。
 第7戦のハイライトは、前日に先発して6回96球を投げた山本由伸のリリーフ登板だが、アメリカの野球ファンは5回の大谷翔平の打席を注視していた。
「先発投手兼DHで出場した大谷は、3回途中での登板となってしまいました。その後を託されたジャスティン・ロブレスキがブルージェイズのアンドレス・ヒメネスに死球を与えています。左投手のロブレスキが右打者のヒメネスの手首付近に当てたので、故意にぶつけたのではないかと疑われました」(前出・現地記者)
 両軍がベンチを飛び出しキナ臭い雰囲気になったところは、リアルタイムで日本でも放送されていた。殴り合いにはならなかったが、「報復」を恐れたのはドジャースベンチだ。
「一般論として、故意と思われる死球があった後、相手チームの主力打者の次の打席でやり返されるケースが多いんです」(前出・現地記者)
 ドジャースナインは大谷に「要注意」を伝えていた。しかし、ブルージェイズ・バッテリーは大谷の胸元に「際どいボール」を投じることはなかった。
 MLBスカウトによれば、投手がコントロールミスでぶつけてしまった場合であっても、その直後、対戦打者側に向いて何かしらの動作を見せたら「故意」と解釈されるそうだ。それは「ゴメンのポーズ」であっても、だ。実際、死球を投じたロブレスキは両手を広げている。試合後のロブレスキは「故意ではなかったと伝えるため。本当だ」と謝罪していたが、ドジャースは報復を受けても致し方ない状況にあったわけだ。
「第6戦で、本塁生還後の大谷がホームベースのカバーに入ろうとしたブルージェイズ先発のゴーズマンとぶつかるハプニングがありました。ゴーズマンの不注意ですが、このシーンも思い出されました。大谷は報復を受けてもおかしくない状況にあったんです」(アメリカ人ライター)
 ワールドシリーズの全7戦で大谷は計36打席に立ったが、申告敬遠を含め、9個の四球を得た。ブルージェイズが大谷を警戒しすぎたせいだが、報復には手を染めなかった。「四球」と「死球」をめぐる名勝負だったとアサ芸プラスが報じた。
編集者:いまトピ編集部
