「走行中にドライバーが意識不明」緊急対応手段として覚えておきたい4カ条

兵庫県加古川市の国道で11月4日午後に発生した、車14台による多重事故。乗用車を運転して信号待ちの車列に突っ込み、死亡した男性(78歳)は解剖の結果、急性心筋梗塞だったことが判明したといい、助手席に乗っていた70代男性は警察の聴取に対し、
「(事故の直前に)隣を見ると、男性が目をつむっていて、声をかけたが反応がなかった」
と話しているという。
死亡した男性の長男によれば、男性に持病はなかったといい、突発的な心筋梗塞である可能性が高いようだ。
近年、走行中のドライバーによる健康起因事故が多発。内閣府の発表によれば(令和4年度)、80歳以上の運転免許保有率は22.8%。つまり、およそ5人にひとりが運転免許を保有していることになるが、むろん、それより下の70代はさらに保有率が高いため、加齢による運転ミスや突然の体調不良による暴走事故が増え続ける結果となっているとのこと。
日頃からいくら体調管理を心がけていても、ある日突然、襲ってくるのが、心筋梗塞や脳梗塞といった血管系疾患。特に今回の事故のように同乗者がいた場合、走行中にドライバーが意識不明あるいは失神などして、そのままどこかに激突すれば、同乗者の命も危険にさらされるが、もしもの際、助手席でその危機を切り抜けることは可能なのか。そこで「絶対とは言い切れないが、助手席でできる緊急対応手段として覚えておきたい4カ条」を、モータージャーナリストに聞いてみたという。
①パワースイッチ搭載の場合はスイッチをOFFに!
最近の車はキーではなく、パワースイッチでエンジンが始動するため、スイッチを数秒間、長押しすればエンジンが強制的にシャットダウンする。そこで加速することは避けられるわけだ。
スイッチは助手席から手の届く、インパネ中央などに取り付けられている場合が多いため、事前確認を。ただ、これはスイッチのある高年式の車の場合のみだ。
②EPB(電子パーキングブレーキ)を長押し、または長引きする!
EPBで緊急停止する。ただしこれも、EPB搭載車のみで適用可能。助手席からも手が届く場所にあるので、事前確認を。
③トランスミッション・レバーをN(ニュートラル)に!
レバーを走行ポジションのD(ドライブ)からN(ニュートラル)に変えるとことで、エンジンの駆動力を停止。直ちには停止できないが、徐々にスピードが落ちるため、その間にハンドルを操作できれば、大事故の回避が可能だ。
④低年式の車はサイドブレーキを一気に引き上げる、あるいは一気に踏み込む!
古い車では通常、運転席と助手席の間にサイドブレーキ(ペダルの場合も)があるので、引けば減速する。ただ、急に上げると車がスピンする可能性があるため、注意が必要だ。
緊急危機回避方法は車のメーカーや車種、年代により異なるため、助手席に乗る場合は、まずは同乗する車の停止・減速方法を事前確認しておくことだという。それが大事故を防ぎ、自身の命を守ることにつながることを覚えておきたいと「アサ芸プラス」が報じている。
編集者:いまトピ編集部
