今永昇太、謎のFA「こんな契約は見たことがない」
Amazon これすでに話がついているのではないか。シカゴ・カブスの今永昇太が、球団と本人双方が契約延長のオプションを行使しなかったことで、フリーエージェント市場に出た。すぐには理解できない一報だった。
「そもそも今永の契約は複雑で、アメリカ出身のメジャーリーガーもこのような契約を結ぶことはありません」(現地記者)
「FA市場に出る」ということはすなわち「クビ」である。しかし今永が渡米した2023年オフに交わした契約によれば、そんな単純な話ではないのだ。
そもそも、カブスとの契約は「4年5300万ドル(約81億6000万円、当時のレート)」だ。2年目の2025年シーズン終了後、球団と本人のどちらにも「4年契約」を継続するかどうかの選択権が生じる。今永が必要だとカブスが判断した場合、「2026年以降の3年5700万ドル(約88億円)」の契約を結び直すことになり、球団が「いらない」と判断しても、今永自身が「残りたい」と思えば「単年1500万ドル(約23億1000万円)」で残れる…という条項が、2023年に交わした契約に入っていた。
昨季の今永は15勝3敗だったが、今季は9勝8敗と成績を落としている。途中、故障でチームを離れるなど、本調子ではなかった。
来季は33歳になる。復調は厳しいと球団が判断し、今永も「それだったら」と割り切って新天地を探そうと決めたのかもしれない。しかし、素直にそうは思えないのが「この複雑な契約」なのである。
今回の米FA市場入りには「続き」があった。カブスは今永に対し、クオリファイング・オファー(QO)を出せる。QOとは、球団が手放したくない契約満了の選手に対し、メジャーリーグ全体の年俸上位125人の平均額を提示できる(1年)。球団がQOを提示するかどうかを決めるのは、ワールドシリーズ終了から5日間。今年のワールドシリーズ終了は11月1日(現地時間)だから、カブスは11月6日まで、今永にQOを出すかどうかを選択できる。日本時間11月7日が過ぎるまで、今永のカブス退団は決定ではないのだ。
「今季の年俸上位125人の平均額は、2200万ドル(約33億8000万円)。今永は4年5300万ドルの契約ですが、4年間の均等割ではありません。今季は1300万ドル(約19億5000万円)でした。QOを提示してもらったほうが昇給になります」(前出・現地記者)
カブスは主力選手の多くが来年オフに複数年契約を終えるため、その慰留交渉に備えなければならない。今永に対し、球団オプションの「2026年以降3年5700万ドル(約88億円)は出せないが、QO分なら払える」の意味合いが、今回の双方破棄のウラにあったのではないだろうか。
「カブスがQOを提示せず、今永がFA市場に出るのを待って、現状維持の1300万ドルを提示する、との見方もされています」(現地特派記者)
11月7日以降の交渉について、球団と本人双方はもう話がついているのかもしれない。新天地でトライするのも悪くないが、ようやく落ち着いてきたシカゴでの生活や、同僚たちと離れたくないのでは…。
今永の去就をめぐって、もうひと波乱が起こりそうであるとアサ芸プラスが報じた。
編集者:いまトピ編集部
