『惨敗ドラマ』盛り上げのため「三谷幸喜と菅田将暉のタッグがつまらないわけない」

「雑誌の名編集者、一流弁護士、人気ウエディングプランナー、脚本家など、さまざまな世界で活躍する一流たちが見間きした〝人生で1番スゴい話″、すなわち〝1ダフル(ワンダフル)なエピソード″を紹介するバラエティー番組!」
これが謳い文句になっているのは「この世界は1ダフル」(フジテレビ系)だ。
「伝説ペア・オグシオが選ぶ…人生で一番手に汗握った試合」
「『リーガル ハイ』監修・一流弁護士が選ぶ…人生で一番の大逆転裁判」
「『いぬのきもち』編集長が選ぶ…今も忘れられない愛犬との話」
「人気ウエディングプランナーが選んだ…今も忘れられない結婚式」
放送開始当初こそ、さまざまな界隈の「その道のプロ」だからこそ知るこぼれ話や出来事を、選者の語りと再現ドラマで紹介してきた。
しかし「事実は小説よりも奇なり」なんてことは、そうそう起きないのか。このところは、過去のドラマの名場面集みたいな企画でお茶を濁す回が増えている。
11月6日の放送でも「伝説ミステリードラマ神トリックSP!」と題して「フジテレビで放送してきた『古畑任三郎』『ガリレオ』『謎解きはディナーのあとで』『黒井戸殺し』『ミステリと言う勿れ』の歴代人気ミステリードラマに出演する5人の天才が挑む神トリックを大特集」という内容だったが…。
今年6月26日放送の「古畑任三郎伝説回FOD再生回数ランキングBEST10」に始まり、2カ月後の8月21日には「古畑任三郎イッキ見SPⅡ」を、さらに9月11日には「ドラマ史に残る名作!『ガリレオ』神トリック7連発」をやっていて、またこのパターンかと。
いや、「古畑」の時も「ガリレオ」の時も、なんだかんだ言いながら最後まで見て楽しんだ身ではあるけど、さすがにこの短期間で類似企画をやりすぎではないか。
などと言いながらも、今回もまた最後まで見てしまったわけだが、そのおかげで、本企画の隠された意図に気付いた。
今回、取り上げられたドラマの「古畑任三郎」「黒井戸殺し」の脚本はどちらも、三谷幸喜が手掛けている。そして「ミステリと言う勿れ」の主演は菅田将暉。この2人から思い浮かぶもの…それは現在放送中の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(フジテレビ系)である。
「民放ゴールデンプラム帯で25年ぶりに三谷が脚本を手掛けた」ことや、主演の菅田をはじめ、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波といった豪華キャストや、巨額を投じたオープンセットで1984年の渋谷を再現したことなどが、放送前からニュースになるも、蓋を開けてみれば、回を追うごとに視聴率は低下。三谷の脚本に対する批判的な意見ばかりが目立つ有様だ。
しかも最終回まで撮影が完了している「完パケ」状態であるため、視聴率を上げるためのストーリー変更やテコ入れもできない。フジテレビは頭を抱えていることだろう。
そこで、だ。「この世界は1ダフル」で、過去の名作の名場面を今一度、見せることによって「三谷幸喜と菅田将暉のタッグが、つまらないままで終わるわけがないじゃないか」という意識を視聴者に植え付ける、というのが目的なのでは、と推察する。
とはいえ、この番組自体がさほど見られていないので、三谷ドラマへのアシストになるかどうかは甚だ疑問だが、とアサ芸プラスが報じている。
編集者:いまトピ編集部
