『ユニクロ古着』回収⇒洗浄⇒検品⇒再販売「循環型ファッション」

ユニクロは長らく「安くて丈夫で買いやすい」ファストファッションの代表として親しまれてきた。その存在を決定づけたのは、2000年前後に大ヒットしたフリースだ。約2000円という手頃な価格に加え、50色ものカラーバリエーションを揃えたことで大ブームを巻き起こし、当時の服選びの常識を変えるほどのインパクトを与えた。
しかし最近は「ユニクロの価格が上がってきた」という声が増えている。定番のフリースは2022年に1990円から2990円に値上げされ、今季の主力アウター「パフテック」は1万円近い商品もある。品質は確かながら「気軽に買えるユニクロ」というイメージとは、やや距離が生まれてきた印象だ。
そこで新たに目を向けられているのが、ユニクロ自身が手がける古着リユース事業「RE.UNIQLO」。店頭の回収ボックスで集めたユニクロ製品を工場で洗浄し、検品を行った上で再販売する仕組みであり、環境負荷を減らしながら服を長く使う「循環型ファッション」を目指している。
リユース品の価格はTシャツ500円、シャツ790円、スウェット790円、フリース790円、ジーンズ1290円、ニット1290円、アウター1290円~4990円など、どれも「ユニクロ品質をこの値段で」と手頃だ。品質にばらつきが少ないブランドの特性もあり、「中古でもきれいで安心して買える」のが特徴となっている。
現在、古着販売を行っているのは全国3店舗。世田谷千歳台店(東京)、前橋南インター店(群馬)、ユニクロ天神店(福岡) のみだ。世田谷千歳台店は早い段階から古着販売を実施してきた店舗で、都内でユニクロの古着を手に入れられる貴重な場所として、支持を広げている。前橋南インター店は郊外型の大型店舗で、幅広い年代に利用されやすい。
特筆すべきが、ユニクロ天神店。古着売り場を大幅に拡大し、その品揃えは約1500点に。フリースやデニムといった定番に加え、バッグや帽子などの小物類まで広げ、売り場はこれまで以上に充実している。
扱うアイテムが増えたことで利用しやすさが向上し、若者から中高年、海外の観光客まで幅広い客層が訪れる人気スポットとなっている。
ユニクロがリユース事業を強化する背景には、日本全体で拡大を続ける中古市場がある。中古品の市場規模は右肩上がりで、昨年は3兆円を超えた。節約指向の高まりやフリマアプリの普及で中古売買が日常化し、現行品にはないデザインやレアなアイテムを探す楽しさも、市場を押し上げている。
一方で中古品に抵抗を感じる消費者は、一定数いる。だがそれもユニクロが回収から洗浄、検品まで一貫して行うことで品質が担保され、初めて古着を買う人にも安心感が生まれている。環境にやさしく、企業の新しいビジネスにもなることから、リユース分野に参入する企業は年々、増えているのだ。
新品価格が上昇する中、手頃で安心して買える「ユニクロ古着」は、これからのファッションの選択肢として、存在感を増していくことだろう。とアサ芸プラスは報じた。
編集者:いまトピ編集部
