誰が何の目的でこんな場所に…? 秘境で出会ったふたつの“異世界トンネル”
(文春オンライン) 2020/12/04 06:00
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
川端康成が『雪国』で描いたように、入口と出口でまるで違った景色が見えてくるというのはトンネルの持つ代表的な魅力の一つだ。
石川県七尾市の北東部に位置する崎山半島・湯川町の山裾で見つけたトンネルにもそうした魅力があった。内部に一歩足を踏み入れると、ゴーッと音を立てて流れる水の音がトンネル内で反響していて、外の音は一切聞こえない。それまでの世界と切り離されるかのような不思議な感覚が呼び起こされる。