日に日に気温が上がる季節、そろそろ重たい長袖の服をしまい込もうかな…というときに、服のシミに気づいたらどうしますか?
目立つ部分ならシミ抜きしてから収納するものの、他人から見えない部分ならそのまま、という人もいるのでは。

ところが、常に季節と気温を追いかけている気象予報士からすると、シミは単に見た目の問題ではなく、そのまま収納すると後悔することも…。
今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、今の季節だからこそ知っておきたい、衣替えとシミの意外な関係を解説します。

しまい込む時期と一致してしまう…

長袖のセーターなど真冬の装いを押し入れやクローゼットの奥にしまい込む時期は、あるものが活発に動く時期と一致してしまいます。
それは、衣類の大敵である「カツオブシムシ」と呼ばれる虫の仲間。
名前のとおり一番の好物は鰹節てすが、衣類も食べる虫です。

ちょうどさなぎから成虫になって動き回る時期で、衣類といっしょにしまい込んでしまうと衣類に産卵し、生まれた幼虫が衣類などをエサにして、虫食い穴ができてしまいます。
「衣類など」と書いたのは、じつは虫のエサは衣類そのものだけではなく、シミも含まれるためです。

狙われやすいものは?

虫がとくに好んで食べるのは、やわらかくて食べやすいウールやカシミヤ。
つまり冬服をしまい込む今の時期は、ほかの季節よりも虫食いに注意が必要ということになります。

そして、それらよりも虫にとって栄養があるのが、食べこぼしや汗、血液などのシミです。

シミをそのままにして衣類を収納してしまうと、自ら虫を呼び寄せているようなもの。
シミのある衣類だけでなく、同じ場所に収納したほかの衣類まで食べられてしまいます。

衣替えでポイントを押さえて衣類を守ろう

虫の被害から衣類を守るためにはまず、たとえ目立たない部分でもシミ抜きをしっかりしてから収納すること。

そして、収納場所にホコリが溜まっている場合、ホコリに含まれる綿ホコリ(衣類から出た非常にこまかい繊維)も虫のエサになるため、きれいに掃除してから衣類を入れましょう。

また、衣類といっしょに防虫剤を入れるのは有効ですが、収納ボックスや引き出しを衣類でいっぱいいっぱいにしてしまうと、十分に効果が得られません。
入れる衣類は容量の7〜8分目までにしておきましょう。

衣類をしまい込むときはシワにならないように、とか、できるたけ効率よくたくさん収納したい、という点に気を取られがちですが、虫食い対策も重要。
今回解説したカツオブシムシのほかに、年に数回産卵するガの幼虫も衣類を食べるため、衣類の敵は意外と身近にたくさんいます。

次のシーズンに衣類を出したときに後悔しないように、衣類を守るための収納をしましょう!

■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。

編集/サンキュ!編集部

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