約70年周期で太陽に接近する「ポン・ブルックス彗星(すいせい)」が観測のチャンスを迎えている。国立天文台によると、4月20日ごろまで、日没後の西北西から西にかけての低い空で観測できる可能性があるという。
 彗星は氷とちりが混じった天体。彗星が太陽に近づき熱によって氷が気体になる際、ガスやちりが放出されて明るくなる。
 ポン・ブルックス彗星は1812年にフランスの天文学者が発見し、それから71年後にアメリカの天文学者が再発見した。現在の明るさはおよそ5等級。4月21日に最も太陽に近づくとみられており、4等級ほどになると期待されている。
 晴天に恵まれた27日、午後7時ごろから、和歌山県白浜町にある国の名勝「円月島」近くでは肉眼では確認できなかったが、西北西の空に現れた淡く緑色に輝く彗星を撮影することができた。
 国立天文台は「ぼんやりとした天体で薄明の影響もあって肉眼での観測は難しいが、双眼鏡や望遠鏡などを使い、澄み渡って晴れた日を狙うとチャンスが増えると思う」と話している。 スマートフォンで動画を見ることができます。