飛ぶことに特化したアマツバメが繁殖のため、和歌山県紀南地方に飛来している。県内有数の繁殖地であるすさみ町見老津の沖ノ黒島では、数百羽が飛び交っている。
 夏鳥としてオセアニア方面から飛来する。全長約20センチ。羽は細長く、広げると40センチを超える。体は黒褐色だが喉と腰の辺りが白い。
 沖ノ黒島には大きな洞窟があり、その壁面で子育てをする。6月中旬ごろからひなが飛び始め、鳴き合ったり、親がひなを挟んで平行飛行したり、空中給餌したりする姿が見られる。
 繁殖期以外は空中で過ごすため、寝るのも交尾するのも飛びながら行う。平らな地面に降りてしまうと、歩くことも飛び上がることもできない。