今季の海外メジャー初戦「マスターズ」が11日(木)からいよいよ始まる。開幕を前にマスターズの歴史を深掘りしていく。オーガスタはレフティが有利というのが定説だが、それはなぜなのか? その要因を探った。


マスターズは1934年に始まり、メジャーのなかで唯一オーガスタ・ナショナルGCだけで行われている。そんな歴史ある舞台で、2000年以降にグリーンジャケットを着用したレフティプレーヤーが3人いる。それは03年のマイク・ウィア(カナダ)、04年、06年、10年のフィル・ミケルソン(米国)、12、14年のバッバ・ワトソン(米国)。合計で6勝を挙げている。

かつてはレフティ不利と言われていたマスターズだが、この3人の活躍によってその説は覆った。では、なぜレフティが活躍できるのか。その理由はオーガスタのコースレイアウトにある。

同ゴルフ場は、4つのショートホールをのぞいて、ドッグレッグホールが7つある。そのうち左ドッグレッグホールが6つ。右打ちのゴルファーからするとドローヒッター、レフティではフェードボールを打つ選手が有利とされる。ドローボールよりもコントロールがしやすく、正確性があると言われるフェードは、ドローよりもミスの確率が少ない。

3勝しているミケルソンはフェーダー。2勝しているワトソンもパワーフェードの持ち主だ。こうしたレフティがスコアを伸ばせるチャンスホールが6つもある。どちらの選手も同等で戦えるホールは、真っすぐのつくりになっている7つのホールだけ。つまり、チャンスが多いのはレフティのフェーダーになるというわけだ。

今年はミケルソンやワトソン、昨年の「全英オープン」を制したブライアン・ハーマン(米国)、さらに4月4日から行われた、マスターズ前哨戦となる「バレロ・テキサス・オープン」を制した22歳のアクシャイ・バティア(米国)もマスターズ出場へ滑り込み、レフティプレーヤーが活躍する可能性がぐっと高まっている。もしかすると今年は、レフティ7勝目を目にすることができるかもしれい。


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