海外メジャー今季初戦「マスターズ」が11日(木)から開催される。松山英樹は今年で13回目の出場。優勝に大きく近づいた2016年大会から、タイガー・ウッズ(米国)の復活優勝があった19年大会までを振り返る。


■2016年 逆転Vは惜しくも叶わず… それでも2年連続トップ10入り

5度目の出場となった16年大会は、優勝に大きく近づいた。最終日は首位と2打差の3位タイからグリーンジャケットを狙ったが、前半はショットが乱れて3つ落とした。後半は10番、13番で戻すも4バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの「73」。トータル1オーバー・7位タイで終えた。

最終組ひとつ前からの逆転はならなかった。「緊張はあまり感じなかった。ただ、抱えていたショット、パットの不安が出てしまった」と嘆いた。苦しんだ前半から一転し後半はバーディを先行させたが、「良い流れを作ったが、その後の4ホールで1つしか獲れなかったのが痛かった」と悔やんだ。

それでも2年連続のトップ10入りには「(メジャーは)近いようで遠い感じもあるが、課題を克服できたらチャンスがあると思います」と勝利へ近づいていることを実感していた。

■2017年 翌年の出場権確保も悔いが残る試合に

4年連続、6度目の出場となった17年大会はトータル1アンダー・11位タイで終えた。翌年のマスターズに出場できる12位以内に入り、18年大会の出場権は獲得。だが、松山にとっては応援してくれる日本ファンの期待に応えられなかったことへの悔いが残った。

初日は4オーバーで54位タイ発進。2日目は2アンダー、3日目は2オーバーと伸ばせず。最終日は首位と10打差の28位タイからスタートした。そして7バーディ・2ボギーの「67」でこの日のベストスコアをマーク。バーディ量産の一日になった。

納得のいくゴルフができなかったが、確信はある。「3日目の後半と最終日でいいショットが打てたので、そこは自信を持ちたい」とうなずいた。前年の秋に勝ち星を重ね、「(その時の)パッティングができれば勝てると思う」と自信をのぞかせた。

日本ゴルフ界の大きな期待に「応えられなくて、すみませんって感じです」と話したが、翌年の大会に気持ちを切り替えた。



■2018年 ケガ、調整不足、不安のなかでのマスターズ

大会前に「期待はゼロ」と話していた松山。左手の痛みを抱えながらも4日間を戦い切ったが、トータル3アンダー・19位で終えた。

1オーバー・29位タイ発進から、2日目は「71」でプレー。予選は通過したが、3日目も「72」とスコアを伸ばせなかった。トータルイーブンパーで迎えた最終日に「69」をマーク。4日目にしてやっとの60台を出した。

ケガ、調整不足、不安のなかで迎えたマスターズについて「調子が悪いながらも4日間できた。4日間できるのは想像していなかったし、かたや、できるんじゃないかという自分もいました」と話す一方で、「最終組が9番にいるようなところで、こうやってインタビューを受けるような状況じゃ到底納得はできません」と悔しさをにじませた。

結果を受け入れようという気持ちと、受け入れたくない気持ち。2つの気持ちが入り交じるなか、素直な気持ちを話した。

■2019年 タイガー復活Vの裏で… 自身は“残念なプレー”

同年1月から予選落ちはなく、トップ10が3回と状態は悪くなかった。そのキープできていた“悪くない”状態がマスターズの練習日から狂いはじめ、思うようなプレーができずに終わってしまった。

25位タイから上位浮上を目指した最終日はアーメンコーナーの出口、13番パー5でウォーターショットを披露するなど見せ場も作ったが、「72」と伸ばせず。トータル3アンダー・32位タイで幕を閉じた。ホールアウト後には「残念ですね。なかなか思うようなプレーができなかった」と肩を落とした。

タイガー・ウッズ(米国)が大会5勝目を飾り、記録ずくめの11年ぶりメジャータイトルを獲得。松山が静かにコースを後にするなか、タイガーコールがオーガスタに響いた。


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