<ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 3日目◇27日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>

3月の「ヒーローインディアンオープン」で欧州ツアー初優勝を果たした中島啓太が3位タイへ浮上。“凱旋優勝”も見える位置で3日目を終えた。


「きのう夕方の時点ではグリーンが早いなって思ったんですけど、朝は雨も降って感覚とずれがあった」と1番からいきなり3パットを喫し、ボギースタートとしてしまった。「その後もパッティングはあまり良くなかったんですけど、きのう、おとといに比べると気持ちよく打てるホールもあったので、だんだん良くなっている」と3番パー5で取り返すと、8番でもバーディを奪った。後半は14番から3連続を決めて、18番もバーディで締めくくり「65」。悪い中でもスコアを伸ばす、一皮むけた中島の姿がそこにはあった。

多くのピンチを切り抜けた場面も印象的だった。「12番でティショットが左のバンカーに入って、片足バンカーの外だったので、かなりタフでした。そこからレイアップみたいな感じになって、70ヤードくらいの3打目は、おそらく1ピン以内には寄っただろうな、と。もし決めれば、10アンダーが見えてくる。絶対に決めなくてはいけないパーパットでした」としっかりパーセーブをしていい流れを作った。

この流れのまま最終日も…といきたいところだが、ショットに不安があると吐露。「ほとんどフェアウェイに行っていない。ラフからだとどうしても寄らないというか、パーを獲るのが難しいピンポジションが多いので、そこに不安を感じています。距離感もバラつきがありますし、まずフェアウェイから打つのを大事に最終日はプレーしたいと思います」。

それでも、母国で欧州2勝目も見える位置に「もちろん優勝を目指してプレーします。たくさん身内も来てくれるので、優勝争いしているところをぜひ見てほしいです。日本で開催されていますけど、DPワールド(欧州)ツアーで戦っているという意識を持っているので、そこでもう一回勝ちたいと思います」と鼻息は荒い。

欧州Vを引っさげ帰国した中島の姿を一目見ようと、多くのギャラリーがコースに集結。「日本の方が応援してくれるというのが一番力になりますし、そこで勝ちたい欲を上手くおさえながら、自分のゴルフに集中しようと思っています」。ファンへの期待を背に、御殿場の地で再び栄冠をつかみにいく。(文・齊藤啓介)


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