<関西オープン 2日目◇17日◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀県)◇6869ヤード・パー70>

日本最古のオープン競技の予選ラウンドが終了した。今年はツアーメンバー126人、アマチュア24人の150人(途中棄権者含む)が出場。トータル3オーバーまでの68人が決勝ラウンドへ進んだ。


1926年から始まった今大会は“日本最古のオープン競技”と言われている。コースは毎年変更され、今年は2015年以来の名神八日市カントリー倶楽部(滋賀県)で開催されている。「僕は初めてだったんですけど、技術がいるコースだなと思いますよ」とツアー通算31勝を挙げている永久シードの片山晋呉は15年大会に出場しておらず、初めてのラウンドとなった。

同コースはフェアウェイが狭く、ラフは長い。加えて、グリーンは硬く速く、傾斜やマウンドも多い。ところどころ横の木が視界に入ってきたり、ドッグレッグの影響で刻まないといけないホールや、飛距離と風によってはグリーン近くまで飛ばしたいホールなど…。片山の言う技術はもちろんだが、マネジメント力も要求される。

そんなコースセッティングに片山は「なかなかタフ。日本オープンみたい」とメジャー並みのセッティングと評した。予選ラウンドを終えてトータル5アンダー・4位タイにつけた52歳・横田真一は「1998年にオーガスタを回ったことがあるけど、オーガスタ並みだよ」と目を丸くした。

ツアー通算18勝の藤田寛之も「メジャー級ですよ」と片山や横田と同意見。「セッティングがね。コースのポテンシャル、ラフの長さ、フェウェイの広さ、グリーンの硬さ。特にグリーンの硬さが一番大きい。ラフの長さとグリーンの硬さのバランスが絶妙だよ」。ラフからのショットでフライヤーが出てしまうと、硬くて速いグリーンは受け止めてくれない。

「(ゲームプランの)組み立てができないといけない。パワーだけだと難しいかな」。グリーンを外したときに、ピンポジションが自分の位置に対して近いところに切られてしまうと「リカバリーが難しい」とも話す。そのあたりのマネジメントを頭に入れて、常に攻めなければならない。

特に1番パー4は難関だ。初日の平均スコアが『4.617』、2日目は『4.381』とパーセーブさえも難しい。距離は494ヤードと長く、緩やかな左ドッグレッグとなっている。右は崖となっており、右のラフに着弾すると簡単にOBゾーンへ行ってしまう。初日は石川遼が右の崖に落とし、ボギー。蝉川泰果は左からの風に流されて1球目、暫定球ともに右のOBに吸い込まれてしまい、ダブルパーを叩いている。

藤田は「この2日間はアゲンストの風が続いた。グリーンの硬さとピンポジションが難しい。2日目も嫌なところに切られていた」と振り返る。初日はセンター、2日目は手前のエッジから11ヤード、右のエッジから4ヤードとかなり右寄せの位置に。グリーンは全体的に左から下って上りの“ウネウネ”の傾斜だ。どこに切られても難しい。

さらに2日目の8番パー4のピン位置は「切っちゃいけないところですね(笑)」と思わず苦笑してしまうほどの難ポジション。緩やかな3段グリーンの形状で、手前エッジから28ヤード、左エッジから4ヤードで3段目の段上がりすぐのところにカップが切られていた。カップ先もワンピンがあるかないかの距離になっており、奥に外すと寄せることが難しい。

同コースはアウトにパー5がなく、7つのパー4のうち6つが400ヤードを越えている。比較的にインコースのほうがスコアが伸びやすく、アウトでどれだけボギーを抑えられるかがカギとなる。

そんな難易度の高い舞台で、平田憲聖が2日目に9アンダーの「61」をマークし単独首位に立った。このスコアは2009年に藤田が宝塚GC新C(兵庫県)で記録した大会記録タイだ。平田自身のベストスコアも更新となった。

まだまだ試合はどう転ぶか分からない。メジャー並みのセッティングで戦う選手たち。週末も白熱の展開となりそうだ。(文・高木彩音)


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