衝動的に連絡先やSNSのアカウントを削除して、人との繋がりを絶ってしまう「人間関係リセット症候群」の人がいます。あらゆる関係をリセットしたくなってしまう心理と、リセットしてしまいたくなったらどうすればいいのかについて、紹介します。

■「人間関係リセット症候群」の人が、1番嫌な存在とは?
「人間関係リセット症候群」の人は、人付き合いが何もかも嫌になり、縁を切ろうとしますが、実は、1番嫌になっている存在は誰かというと、「自分自身」であることが多いもの。そんな自分が嫌いだから、自分が置かれた環境を壊して、新たな自分に生まれ変わりたくなるのです。

逆を言えば、自分のことを受け止められていて、また、そんな好きな自分と気の合う人たちと付き合っていたら、リセットしたいとは思わないもの。

自分に自信がないことで、人に合わせ過ぎていたり、本当の自分を出せなかったりしているから、人付き合いが辛くなっているのです。そんなときは、人間関係をリセットすることで逃れようとするのではなく、「自分自身を変える」ことで、新たな自分になることを目指した方がいいでしょう。

■「自分の嫌いなところ」と向き合うことが重要
どんなに自分を嫌いでも、「明日から、この自分をやめて、他の人間になります」なんてことは不可能。この命がある限りは、自分自身と付き合っていくしかありません。だからこそ、自分を改善させて「好きだと思える自己」になる必要があるのです。

まずは、自分のどんなところが嫌いなのかをきちんと把握することが大事。ズルいところ、うそつきなところ、裏表のある性格など……そういった嫌な部分をきちんと把握し、それらをできるだけ直していくことが大切です。

きちんと生まれ変わるためにも、一度は、「自分の嫌いなところ」と真正面から向き合った方がいいでしょう。自分自身も誤魔化していると、人は変われないですしね。すぐにガラリと変わることは難しくても、昨日よりも今日、今日よりも明日、少しずつ改善することができたら、自分のことを好きになっていくでしょう。

■日々の行動の変化が「自己の改善」に繋がる
特に、「自分を誇れなくなること」ばかりをしていると嫌いになりがち。例えば、自分でもズルいと思っていることをやり続けていると、自分のことが嫌になっていきます。だから、日頃の行動を1つ1つ改善していくことが、結果的に「自分を変える」ことに繋がるのです。

さらに、「こういう人がいたら、尊敬できる」と思うことをやってみることも大切。例えば、街で困っている人がいたら、助けてあげる、とか。無理するのはよくないですが、できる限りそういった誇れる行動をすることで、自分のことを好きになっていくことは多いです。

「自分を改善する=日頃の言動を誇れるものに変える」ことだと理解して、行動と共に“納得できる自分”に変わってみてはいかがでしょうか。

■「連絡先の消去」はマナー違反? 自分の首を絞めることに……
人との繋がりをリセットしたくなったときは、電話番号を変えたり、連絡先のデータを消去したりする前に、「いったん、人と距離を空けること」にとどめてみてはいかがでしょうか。大人になれば、わざわざ縁を切る必要がなくても、会う回数や連絡が減ったら、繋がりは薄くなっていきます。波風を立てる必要はありません。

逆に、急に連絡がつかなくなったら、心配されることは多いし、それは大人としてマナー違反なところもあります。場合によっては、心のどこかに「かまってほしい」という気持ちがあって連絡を絶つ人も。でも、それも大人として得策ではありません。信頼関係が壊れるからです。

もちろん、「距離を空ける」といっても、パートナーや家族にはできないことは多いもの。そういう濃い繋がりのある相手には、「今は1人になって、自己と向き合いたいから」といって、そっとしてもらえるように頼む方がいいでしょう。

本当に縁を切りたくて、かまってほしくなければ、「人に心配されない行動」をしながら、少しずつフェードアウトすることが大事。そうでなければ、単に“かまってほしいだけの甘えん坊”に過ぎません。大人になったら、そういう姑息(こそく)な手段で人の注目を得ようとすると、どんどん自分の首を絞めることになるので、注意が必要です。

人といい人間関係を築くためにも、まずは「自分との関係を良好にする」必要があります。周りを巻き込まずに、自己ときちんと向き合って、上手に乗り越えていきたいものですね。

ひかり(恋愛・人間関係ガイド)