5月21日は探偵の日!

1891年5月21日、帝國探明會という企業が朝日新聞に「詐欺師や盗人の所在を調べる。他人の行動調査を実施する」という広告を出したことにちなんで制定されました。

今回は、世界初の探偵は元犯罪者だった、「探偵」と「興信所」の違いなど、違いの分かる人になれる探偵の豆知識をご紹介します。

■世界初の探偵は元犯罪者だった
世界で最初の私立探偵とされているのは、19世紀のフランスで活躍したフランソワ・ヴィドック。

脱走兵として投獄されて以降、脱獄と逮捕を繰り返して裏社会の情報や犯罪の手口を学んだ“脱獄と変装のプロ”として暗躍しました。

その腕と知識を買われて、後にパリ警視庁の前身にあたるパリ地区犯罪捜査局の初代局長に。

退局後に個人事務所を開設して、世界初の探偵になりました。彼の活躍を元にした映画も作られています。

■「探偵」と「興信所」の違い
近代日本における「探偵」と「興信所」は、少し前まで調査対象と手法に違いがありました。

探偵は浮気調査や素行調査など、主に個人を対象として、張り込みや尾行などの行動監視を調査対象者にバレないように行う「外観型調査手法」を行っていました。

一方の興信所は、「信を興す(信用を成り立たせる)」という文字通り、主に企業の「信用状況」を調査対象として、直接の聞き取り取材で得た内容の裏付け調査を行う「内観型調査手法」を行なっていました。

ただし、2006年に探偵事務所と興信所を同じ調査業者に分類する「探偵業の業務の適正化に関する法律」が施行されたため、現代において探偵と興信所の違いはほとんどありません。

■探偵を「プライベートアイ」と呼ぶのはなぜ?
2013年公開の映画『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』のように、探偵の別称として「プライベートアイ」が使われる理由をご存じでしょうか。

これは、アメリカ初の私立探偵事務所であるピンカートン探偵社に由来しています。

ピンカートン探偵社のレターヘッドには「We never sleep.(我々は決して眠らない)」というコピーと共に、見開いた片目が大きく描かれていました。

ここから探偵(private detective)のことを「プライベートアイ(private eye)」とも呼ぶようになりました。

ちなみに「private」が付くのは、detectiveだけだと刑事という意味もあるため。日本語でも、かつて探偵は刑事を指す言葉だったため「私立探偵」という言葉が生まれました。

この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。