訪れるべき場所がまだまだ尽きない京都の街の魅力を紹介する特集「」。今年も、ひとり、京都を歩くなら話を聞いておきたい人がいます。創刊から10年以上にわたり本誌連載「&Kyoto」を担当し、「京都さんぽ部」部長として街の旬なエリアやスポットを紹介してきた、現地在住ライター、コーディネーターの大和まこさんです。本誌の企画「ひとりで過ごす京都、10のこと」のテーマに合わせて、私的にすすめたいスポットを教えてくれました。

古さと新しさが入り交じる空間では、展覧会に合わせた食事会や茶会も開かれる。

『木と根』のギャラリー『分室カスタド』。

 現代作家のうつわと日用の道具を扱い、開業から19年になる『木と根』。機能性の高さ、物としての美しさ、そして色の変化や貫入など、育つ楽しみ。それら3つを兼ね備えていることを大切にもの選びを続けてきた店主・林七緒美さんのセンスに、信頼を寄せるファンも数多い。新たに手がけた『分室カスタド』は『木と根』の入るビルの上階の一室を改装し、2022年に誕生したギャラリー。『お茶まわり三人展』などの企画展から、陶芸や木工、洋服など作家の展覧会まで月に1〜2本のペースで稼働する。大きな白壁を備え、西脇一弘らこれまでには扱いのない絵画の展覧会もラインナップに。また新たなシーンを展開し続ける、いつまでも期待を裏切らない存在だ。

京都市下京区燈籠町589 ‒1 2階 075‒352‒2428(木と根) 12時〜17時展示期間中のみ営業


「京都さんぽ部」部長、ライター、コーディネーター。 大和 まこ

「京都さんぽ部」部長。ライター、コーディネーター。京都暮らしも、もはや25年目に。連載「&Kyoto」は2022年に100回目を迎えて継続中。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram()で発信している。

&Premium No. 124 Kyoto Solo Trip / やっぱり、ひとりでも京都。

京都の街を巡り歩くとき、なぜこんなにも心が浮き立つのでしょうか。風情ある神社仏閣や庭、精緻な工芸品を扱う店や美しい佇まいの町家に出合ったかと思えば、そのすぐそばには個性的なコーヒーショップや書店、ギャラリーや生活道具の新店が。長い歴史の中で脈々と息づいてきた伝統と、新しいカルチャー、そして〝ふだんの表情〞を、さらりと共存させる街、京都。今号は、ひとりでも楽しめる京都、そして、ひとりだからこそさらに楽しい京都を案内します。

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