司法当局が水原容疑者を訴追

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手の通訳を務めた水原一平容疑者が違法賭博に関わったとされる問題で、水原容疑者が大谷から1600万ドル(約24億5000万円)超を搾取した容疑で司法当局から訴追されたと米メディアが一斉に報じた。司法当局も大谷を“被害者”として位置づけた形で、米識者からは「連邦捜査局が彼の無実を証明した」と“陰謀論者”を牽制したうえで「ショウヘイは失望させられたんだ。人間として影響を及ぼすものであることを忘れないでくれ」と気遣う声が上がっている。

 訴状によると、水原氏は2018年に、大谷が米国に移住した際にエンゼルスから給与が振り込まれる銀行口座の開設を手助け。21年9月にギャンブルの胴元と賭博を始めたとされており、21年下旬には大谷の口座情報を勝手に変更したという。22年2月には銀行員を騙して大谷の口座から胴元へ送金。21年9月から24年1月までの期間で計1万9000回賭け、純残高はマイナス4067万8436ドル(約62億3320万円)になっていたという。米スポーツ専門局「ESPN」の記事では、マーティン・エストラーダ連邦検事がロサンゼルスで行われた会見で「強調しておきたいのは、オオタニがこの件の被害者だと考えられていることだ」と語ったことを紹介されている。

 熱烈な大谷マニアで知られ、米スポーツ専門局「FOXスポーツ」でアナリストを務めるベン・バーランダー氏のポッドキャスト番組「フリッピン・バッツ」公式YouTubeチャンネルでも、この話題を取り上げた。その中でバーランダー氏は「これで終わりになることを本当に願っている。悲しい状況の中で、ショウヘイ・オオタニが被害者であるということにみんなが気付き、前に進むことを願っている」と語った。

 今回の事件については「(インターネット上では)かなりの疑問が出てきた。それは本当に理解できる。その時点で疑問を尋ねることは妥当なことだ。しかし今となっては事実は事実だ。全てが事実の37ページに及ぶ犯罪レポートがある。37ページもの犯罪レポートを読みたくないなら、それは全く理解できる。全く問題ない」としながらも「しかし、事実無根な馬鹿げたことを広める余地は一切ない。正反対の完全な事実が出ているんだから」と大谷の“潔白”を強調した。

 大谷が今回の件に関与していたのでは、という声があったことに対しても「残念ながら、自分が間違っていたと誰も認めたくないものだ。だから、イッペイが“身代わり”のようなものだと考えていた陰謀論者たちは声を大きくし続けるばかりだ」と牽制。そのうえで「私には全く理解できない。なぜショウヘイが何か悪いことをしていてほしいと思う人がいるのか理解できない。なぜだ? 疑問を呈していた自分が馬鹿に見えないようにか? 疑問を呈していたことに怒る人はいない。それは妥当なことだと思う。でも、今は事実が出た。事実は事実だ。連邦捜査局が彼の無実を証明したんだ」と一定の声を一喝した。

 大谷への影響についても「ショウヘイは親友に騙され、失望させられたんだ。それを忘れないでくれ。ショウヘイは人間であり、本物の感情を持つ人間であり、世間の声が聞こえる人間であり、それが人間として影響を及ぼすものであることを忘れないでくれ」と強調。「彼は被害者なんだ。親友が考えられないような罪を犯したことの被害者なんだ。それを覚えておいてくれ」と気遣っている。

(THE ANSWER編集部)