若い乳牛を預かり、牧草地に放つ「入牧」が20日朝、北海道帯広市の八千代公共育成牧場であった。牛たちは10月ごろまで、496ヘクタールの広大な放牧地で、のびのびと過ごす。

 若い牛の足腰を鍛え、健康で丈夫な身体に育てるほか、酪農家にとっては、搾乳できるようになるまで育てる作業の負担軽減の目的もある。この日牧場には、市内の酪農家15戸から預かった乳牛143頭が、トラックで次々に運び込まれた。計量やワクチン接種がされたのち、まきばに放された。それぞれ人工授精されて、出産前に酪農家の元へ帰っていく。

 帯広市農政部の花房孝行・畜産係長は「牛たちには、広大な放牧地で自由にストレス無く過ごしてもらい、健康な状態で各酪農家にお返ししたい」と話す。(中沢滋人)