【兵庫】神戸市中央区の動植物園「神戸どうぶつ王国」に4月26日、新しいエリア「カピバラたちの湿原〜Pantanal(パンタナール)〜」がオープンした。多くのカピバラが生息している南米の世界最大級の湿地帯「パンタナール湿原」をイメージし、約40種類の植物を植えた。

 カピバラは南米原産の世界最大級のネズミの仲間で、成長すると体長は1メートルを超える。野生に近い環境で暮らす様子を観察してもらおうと、約4カ月かけて屋外エリアに整備した。

 広さ約170平方メートルで、このうち半分以上の約90平方メートルを滝が流れ込む池が占める。同園によると、カピバラは泳ぎが得意で5分以上も水中に潜り、天敵のジャガーなどの肉食動物に見つかりにくくしているという。池の周囲にイネ科のヨシ、陸にはヤシやユーカリなどの高い木を植えて、木陰で休めるスペースを設けた。

 計7匹のカピバラは水中でじゃれ合ったり、陸で来園者の近くを歩き回ったりしている。同園は来園者に「(カピバラの)口元に手を出さない」「ゆっくり近づこう」などと呼びかけている。

 飼育の担当者は「オリや柵がなく、広い空間でカピバラを観察できる場所は全国でも珍しいのではないか。カピバラの様々な姿を間近で見てほしい」と話す。(森直由)