岸田文雄首相は22日、在日米軍を傘下に抱える米インド太平洋軍のアキリーノ司令官と首相官邸で面会した。日米首脳は今月上旬の会談で自衛隊と米軍の「指揮統制」の連携強化の方針で一致。首相とアキリーノ氏は会談で日米同盟の抑止力・対処力の強化の重要性を確認した。

 日本政府によると、首相は北朝鮮によるこの日の「弾道ミサイルとみられる飛行体」の発射に言及しながら、インド太平洋地域の平和・安定への米軍の貢献に謝意を伝達。訪米について「日米がグローバル・パートナーであり、日本が米国と共に地域と国際社会の平和と安定に責任を果たす用意がある決意を強く打ち出した」などと強調した。アキリーノ氏は「米国のインド太平洋地域への揺るぎないコミットメントを示していきたい」と応じたという。面会後、記者団に「本当に日米同盟は強い」と述べた。

 アキリーノ氏は近く退任する予定で、後任にパパロ海軍大将を充てる人事を米上院が承認している。木原稔防衛相との面会では「日米同盟がこれほど強かったことはこれまでにない。私の後任が日米同盟をより強くしていくと自信を持って言える」と言及。木原氏は「インド太平洋地域の平和と繁栄の確保は、国際社会にとって最も重要な戦略的課題。日米同盟の果たすべき役割はこれまでになく大きくなっている」と述べた。

 自衛隊制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長との会談では、アキリーノ氏は「日米同盟はインド太平洋地域を自由で開かれたものとし続けることにおいて極めて重要だ。日米関係の中に豪州を含めていこうという気持ち、行動はとても重要だ」と語った。(里見稔、南有紀)