欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は24日、中国が医療機器の政府調達でEU域内の企業を不当に締め出している疑いがあるとして、調査を始めると発表した。対抗措置も検討しており、中国が与えるEU域内への影響に警戒感を強めている。

 中国政府は自国製品の優先的な購入を促す「バイ・チャイナ」を打ち出し、医療機器などの政府調達で国外企業の排除を進める。ドイツやオランダには約3千の医療機器企業があり、注射針からCTスキャナーに至るまで、幅広い医療機器が中国で不当に締め出されていると欧州委は主張している。

 欧州委は今後、EU域内企業の中国市場へのアクセスの状況を調査し、中国に自国優先の措置の撤廃を求めて協議していくという。EUが定めた「国際調達措置規則」に基づいて、調査の結果次第では、対抗措置として中国の医療機器企業をEU加盟国の政府調達から締め出す可能性があるという。