米国防総省は25日、パレスチナ自治区ガザ沿岸で、人道支援物資を海から搬入するための海上桟橋の建設を始めたと明らかにした。人口の半数近くが飢餓の危機に直面しているとされるガザで、食料の搬入経路を拡大する狙いがある。

 桟橋の設置は3月上旬の一般教書演説でバイデン大統領が打ち出したもの。米宇宙企業プラネット・ラボの衛星写真で、海岸沿いに桟橋が建設されている様子が確認できる。米軍高官によると、支援物資の搬入は5月上旬に始まる見通し。最初は1日あたりトラック90台分だが、150台分まで増やす方向という。

 国連によると4月の支援物資の平均搬入量は1日あたりトラック200台分。海路による搬入が軌道に乗れば、人道状況の改善につながる可能性がある。一方、ロイター通信は25日、建設現場の付近で攻撃があったと報道。現地を訪れていた国連のチームが一時避難する場面もあった。けが人はいなかったという。