ガンダーラから日本へ、仏教美術の系譜をたどる特別展「文明の十字路・バーミヤン大仏の太陽神と弥勒(みろく)信仰」(龍谷大学など主催)が20日から、京都市下京区の「龍谷ミュージアム」で開かれる。

 現地の仏教美術の象徴だったバーミヤン大仏は2001年、イスラム主義勢力タリバンによって破壊された。失われた古代文化の精髄を少しでも伝えようと、1969年からこの地の仏教遺跡を調査してきた宮治昭・名古屋大学名誉教授らは、かつて日本の調査隊が撮影した写真150枚以上から、大仏の周囲に描かれていた壁画を縮尺10分の1の精密な展開図で復元する作業を進めていた。線画には弥勒(みろく)仏がササン朝ペルシャの太陽神とともに描かれ、盛んだった東西文化の交流をしのばせる。

 このほど完成した線画のお披露目も兼ね、同展はインド、中国、日本の絵画や彫刻など約130点で、ガンダーラから日本に至る仏教美術の流れを通覧する。

 6月16日まで。午前10時〜午後5時(入館は午後4時半まで)、月曜休館(4月29日と5月6日は開館、4月30日と5月7日が休館)。一般1600円、高大生900円、小中学生500円。問い合わせは同館(075・351・2500)。(永井靖二)