伊勢神宮(三重県伊勢市)のお札「神宮大麻(じんぐうたいま)」のご神体になる杉材の伐採作業の始まりを告げる祭事「大麻用材伐始祭(たいまようざいきりはじめさい)」が17日、内宮近くの山中に設けられた丸山祭場であった。内宮の南側に広がる神路山(かみじやま)の杉を切り出し、秋までに約1千万体の神宮大麻が作られる。

 祭事には神宮職員ら約40人が参列した。神職が神事を執り行い、伐採作業の安全を祈願。続いて素襖烏帽子(すおうえぼし)姿の工匠(こうしょう)が神路山に向かって手斧(ておの)を3回振り下ろす所作をした。

 伐採した杉材は、神宮司庁頒布部の第二奉製所で乾燥と製材をした後、厚さ1ミリほどの細い棒状に断裁。和紙が巻かれ、「御真(ぎょしん)」と呼ばれるご神体になる。

 御真を収めた神宮大麻は伊勢神宮で参拝者に授与されるほか、9月以降に神社本庁や各都道府県の神社庁を通じて全国の神社に届けられる。(佐藤孝之)