深い雪に閉ざされていた秋田県北秋田市の森吉山(標高1454メートル)にも、春が近づいている。

 阿仁スキー場のゴンドラ山頂駅付近にいたモンスター(樹氷)たちはすっかり姿を消し、林のあちこちには、春の訪れを告げる「根開き」が現れ始めた。

 木々の根元の周りだけ早く雪が解けて、丸く穴が開いたようになる現象だ。日増しに強くなる陽光の熱を吸収し、幹の表面が温まることなどが作用しているという。木の芽はまだ堅いが、「根開き」は中腹まで上がってきた。

 友人と週末の春スキーを楽しんでいた大館市の男性(36)は「雪の名残惜しさと、春の息吹の両方感じられる季節。気分が上がります」。(阿部浩明)