愛媛県宇和島市の国指定の名勝「天赦園(てんしゃえん)」で、樹齢250年の野田藤が例年より早く開花した。見頃はしばらく続くといい、園の入り口近くなどに配された藤棚で、訪れた観光客らが紫の花をスマホで撮影していた。

 天赦園は江戸時代に宇和島藩主だった伊達家ゆかりの大名庭園で、1866年に完成。伊達家の先祖は藤原鎌足で、藤原氏をしのんで園内6カ所に藤棚が設けられている。

 17日、コロナ禍で延期した新婚旅行を3年目にようやく実現した滋賀県野洲市の浜村聡希さん(29)と花香さん(28)は、「いい天気の中で、きれいな藤をすぐ間近に見られた」と笑顔で語った。昨年生まれた長男の柚稀ちゃんも、声を上げて喜んでいたという。

 園では大型連休中の5月3〜5日、ふだんは立ち入れない茶室を公開して「春の呈茶会」を開く。料金は300円(入園料は別途必要)。問い合わせは宇和島伊達文化保存会(0895・25・2709)。(戸田拓)